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第210回国会 総務委員会 第2号


○浮島委員長 次に、輿水恵一君。

 

○輿水委員 おはようございます。公明党の輿水恵一でございます。

 

 本日は、質問の機会をいただきましたことに、心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。

 

 それでは、早速でございます。質問に入らせていただきたいと思います。

 

 初めに、ビヨンド5Gの研究開発戦略について伺いたいと思います。

 

 今、5Gということで、世界で新しい通信ということで今進められているんですけれども、実は、5Gの基地局の市場シェアというのが日本の企業は僅か二%ということで、この5Gでは、どちらかというと、なかなかうまくいかなかったのかな。しかし、いよいよビヨンド5G、これに向けてしっかりと技術を開発をして、日本が世界に貢献できる、そういった国になるべきではないか。

 

 そんな中で、寺田大臣の所信の中で、次世代情報通信技術、ビヨンド5Gについて、総合的な技術戦略を推進するとしています。このビヨンド5Gでは、実際、どのような機能を現場で実現をしていくことが期待されるのか、また、諸外国の動向はどのようになっているのか、そして、それらを含めて、どのように戦略的にこの開発を進めていこうとされているのかについて、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○寺田国務大臣 御指摘のように、5Gについては、NSA方式はともかく、SA方式においてはかなり日本のシェアは諸外国に比して劣後している状況でございまして、次世代のビヨンド5G、これは、二〇三〇年代において、あらゆる産業、また経済活動、社会活動の基盤となることが見込まれており、今、このビヨンド5Gにおいて我が国がいかにそのプレゼンスを示すかというのが大変大きなテーマとなって、取り組んでいるところでございます。

 

 5Gは、大容量、多接続、また即時性、この三つの点において大変優れておりますが、ビヨンド5Gとなりますと、更にそれがバージョンアップをいたしまして、全世界ベース、また宇宙空間をつなぐ多接続、そして即時性、大容量、さらには消費電力を極力抑えるという超低消費電力化、また、先ほど申したように、あらゆる空間について通信の範囲を広げる、いわゆる通信カバレッジの拡張などの非常に大きな機能が期待をされるところでございます。

 

 今、諸外国でも、この分野ではこの5G技術の上を行く技術として研究開発が進んでおり、各国ともその研究開発計画を公表し、しのぎを削っている状況でございます。

 

 こうした状況を踏まえ、総務省としては、重点技術分野として、オール光通信、また、衛星、HAPS技術のネットワークの確立、さらに、セキュアな仮想化・統合ネットワーク技術、ここらを重点化し、研究開発を進めております。

 

 また、それを実際に実用化する、社会に実装することを加速化しなければならないということで、今年の六月に、情報通信審議会において、そのことを盛り込んだ戦略的答申が取りまとめられたところでございますので、今、我々、来年度、五年度の概算要求で、このビヨンド5Gの技術確立と実装化のために恒久的な基金の造成、これを概算要求をいたし、今現在、政府内で調整を行っているところでございます。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 ビヨンド5Gに向けて、恒久的な資金、これがまずしっかりしていくことも非常に大事なことであると思います。

 

 まさに、二〇一六年に比べて二〇五〇年、ICT、情報通信技術関連の消費電力量というのは四千倍に上がる、DXの時代でどんどんどんどんそういった情報通信の電気量が上がってくるということで、ただいま、オール光ネットワークということで、今、日本がそれに取り組もうということで言われているんですが、まさに私も、そのオール光、これからの情報通信量が増えていく、一方でGXが叫ばれる中で、効率的な、消費電力が低い、そういったネットワークの構築というのは非常に大事だと思っています。

 

 この光ネットワーク、どちらかというと消費電力が百分の一になる、そのように言われている一方で、伝送量は百二十五倍、そしてまた、遅延が二百分の一になるということで、いろいろなところで今後自動化が進むと、エッジコンピューティングが必要かななんて思われるところも、直接ダイレクトで中央の制御部分とつながって、そして制御ができるという部分では、いろいろな効率化が図れる大事な技術だと思いますので、全力で、今度は、ビヨンド5Gではしっかりと世界のシェアを確保できるように頑張っていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 

 それでは、続きまして、近年、地震や豪雨、台風、災害が大規模化、頻発化している状況でございます。各自治体における防災・減災対策の重要性がますます高まっているところでございますが、このような状況の中で、学校体育館などの各自治体の指定避難場所は、災害の発生に際し、住民の安全を確保するための施設として大変に重要な役割を果たしていると思います。

 

 この指定避難場所は、様々な災害の危険性が発生した場合、住民が一時的に滞在する施設であり、公明党では、全国の地方議員さんと連携しながら、この環境整備ということで、エアコンの整備あるいは段ボールベッドの確保などにも取り組ませていただいたところでございます。

 

 その上で、この指定避難場所の良好な生活環境の確保、あるいは、避難者の健康の維持のために洗浄機能つき多目的トイレの整備、私は必要である、このように考えております。

 

 避難所において、トイレが利用しづらい状況では排せつを我慢しなければならない。あるいは、実際、トイレの回数を減らそうと水分摂取を控えたことによる健康被害も起きていると聞いているところでございます。

 

 また、介助が必要な避難者にとっては、手すりや一定のスペースがある、そういったトイレの整備も大変重要であるかなと。

 

 さらに、避難者の皆さんの高齢化等により、尿漏れなどの排せつのトラブルの増加も懸念される中で、入浴ができない避難所生活において、洗浄機能を備えたトイレの整備は、健康維持のためにも必要不可欠であると考えております。

 

 そこで、指定避難場所への洗浄機能つきの多目的トイレの整備の必要性について、当局の認識と、これを整備しようとする自治体に対してどのような支援ができるのか、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○原政府参考人 お答えいたします。

 

 大規模災害時には、多数の被災者が長期にわたり避難所生活を余儀なくされ、心身の健康確保等が課題となることから、避難所における生活環境整備は大変重要な課題と認識しております。

 

 委員御指摘のウォシュレット機能、こういったものの設置についても推進していく必要があると考えておりまして、避難所の生活環境改善のためのトイレ整備として、緊急防災・減災事業債として、起債の充当率一〇〇%、その元利償還金の七〇%について交付税措置を行う手厚い措置を講じております。

 

 引き続き、こうしたトイレの設置も含め、自治体がしっかりと防災・減災対策を行うことができるよう、緊急防災・減災事業債の活用についても、自治体にしっかりと周知してまいりたいと存じております。

 

 以上でございます。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 今、充当率一〇〇%、交付税措置七〇%と、手厚い補助率の緊急防災・減災事業債、活用ができるということで、また、自治体の指定避難場所への洗浄機能つきの多目的トイレの積極的な整備を期待をしてまいりたいと思います。

 

 続きまして、我が国におきましては、高度経済成長期に大量の施設が建設されました。そして今、それらの施設が一斉に更新時期を迎えている。特に、地方自治体では、住民の生活に密着したインフラ、施設を数多く整備、管理しており、その老朽化対策は極めて重要な課題であると思います。

 

 現在、地方自治体で、公共施設の全体の状況を整理して、中長期的な展望を持って公共施設の計画的な集約化、複合化、さらには長寿命化対策等により、維持管理費、更新等に係るトータルコストを縮減するために、公共施設の総合管理計画を策定をしていると伺っております。そんな中で、財政負担の軽減、平準化を図りながら、しっかりと進めていただきたい。

 

 そして、今回、令和四年三月末時点の調査の結果では、全国の自治体の九九%に当たる千七百八十七団体がこの総合管理計画を策定していると伺っております。

 

 そこで、総務省として、各地方自治体の総合管理計画を着実に進めるためにどのような取組をどのように進めているかについて、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○原政府参考人 お答えいたします。

 

 総務省におきましては、委員御地元のさいたま市、大変このマネジメントをしっかりやっていただいていると思っておりますが、公共施設のマネジメントの着実な実行を期するために、公共施設等総合管理計画の策定、見直しの推進、そして、その財源となります公共施設等適正管理推進事業債によって、地方団体の財政負担の軽減を図っているところでございます。

 

 また、公共施設管理計画については、国のインフラ計画も今精緻化をしておりますので、それに合わせて、令和五年度までの見直しを自治体も精緻化していただきたいということをやっておりまして、その見直し経費も特別交付税措置、あるいはアドバイザーの派遣、こうしたきめ細かい対応を行っております。

 

 公共施設等適正管理事業債についても、充実を図りながら、事業期間も令和八年度まで延長したところでございますので、しっかりと総務省としても後押ししていきたい、このように思っております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 地方財源のしっかりとした確保をよろしくお願いを申し上げます。

 

 一方で、財政力が非常に弱い自治体もありまして、なかなかそれを再整備したくても整備が進まない、このような状況もあるかと思うんですけれども、そのように財政力が非常に弱い自治体に対してどのような支援がなされるのか、なされているのか、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○原政府参考人 お答えいたします。

 

 財政措置でございますが、先ほども触れましたが、公共施設等適正管理推進事業債、これは、全てのメニューを通じまして地方債の充当率は九〇%としております。その中でも、集約化、複合化事業は、交付税措置率を五〇%とするとともに、複数団体が連携して行う事業などの取組を後押ししております。

 

 また、長寿命化とかユニバーサル化、転用、立地適正化などは、財政力に応じまして交付税措置率を三〇%から五〇%、上がるように設定しておりまして、地方団体の財政力にも配慮した取組とさせていただいております。

 

 以上でございます。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 地方の財政力に応じて措置率を上げていただけるということで、現場で何かできるところからしっかりと進めていただければと思います。

 

 最後の質問になりますけれども、今、GXが叫ばれている中で、地方自治体のGXの推進も大変に重要であると思います。

 

 そこで、地方公共施設の脱炭素化の加速のために具体的にどのような取組がどのように進められているのかにつきましても、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○原政府参考人 お答えいたします。

 

 委員御指摘の脱炭素化につきましては、昨年閣議決定した地球温暖化対策計画においても、地方団体に脱炭素化についての率先的な取組が求められておりますので、本年度から、公共施設等適正管理推進事業債、先ほど申し上げました、その対象に脱炭素化事業、これを追加したところであります。

 

 具体的には、公用、公共施設の改修により行われる太陽光発電設備の設置、ZEB基準又は省エネ基準への適合、LED照明の導入などについて、今申し上げた地方債を充てることができるようにいたしたところであります。

 

 地方において脱炭素化の取組を促進することは大変重要な課題であると認識しておりまして、引き続き、地方団体の脱炭素化を後押ししてまいりたいと思っております。

 

 以上でございます。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 日本も二〇五〇年カーボンニュートラルということで今目指している中で、そういった地方自治体の脱炭素化、また、そういったものを進める中で、地域住民の皆様がそういったものを意識しながら、新しいまた生活の在り方についてもしっかりと取り組んでいただければ、このように思っているところでございます。

 

 時間も参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。大変にありがとうございました。