第192回国会  総務委員会 第6号

○竹内委員長 次に、輿水恵一君。

○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 本日は、質問の機会を与えていただきまして、感謝の思いでいっぱいでございます。ありがとうございます。

 質問の順番を若干変えさせていただきまして、本日、初めに、ICT、情報通信技術の利活用において大きな役割を担うであろうAI、人工知能についての質問をさせていただきたいと思います。

 ICT、情報通信技術の利活用は、インターネットに接続されたパソコンやスマートフォンなどに限られていた時代から、テレビやエアコン、冷蔵庫などの家電や自動車など生活に密着した製品、さらに工場の工作機械や土木工事現場の重機など、あらゆるものがインターネットにつながる、インターネット・オブ・シングス、IoTの時代へと進展をしてまいりました。

 IoTの進展に伴い、さまざまなモバイル端末やセンサー機器からインターネットを経由して、リアルタイムで大量のデータがクラウドに蓄積されます。この大量のデータを常時適切に処理し、総合的に分析し、その結果をもとに新たな価値を生み出していく過程において、人工知能、AIは不可欠である、こういった時代になってまいりました。

 このICT利活用においてAIは切っても切れないものであると思いますが、そこで、総務省として、AIの社会における役割についてどのように認識をされているか、お伺いをいたします。

○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国の少子高齢化による労働力不足等の社会的課題の解決や第四次産業革命の実現のためには、人工知能の果たすべき役割は極めて重要だというふうに考えております。

 このため、昨年十二月より、情報通信審議会技術戦略委員会におきまして、次世代人工知能推進戦略等について御審議をいただきまして、本年七月に中間答申をいただいたところでございます。

 本中間答申におきましては、人と人工知能との対話を実現する言語処理技術、脳科学の知見を踏まえた次世代人工知能技術の開発に取り組むとともに、複数の人工知能がネットワークを介して連携し、人や社会を最適に支援する革新的な連携協調技術の開発等を推進することなどにつきまして、提言に盛り込まれているところでございます。

 また、本年四月に設置をされました人工知能技術戦略会議のもとで、総務省、文部科学省、経済産業省が連携をいたしまして、人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップについて、本年度中の策定を目指して現在検討を進めているところでございます。

 総務省としましては、三省連携のもと、人工知能技術の研究開発とその社会実装に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 今日、囲碁や将棋では人間を超え始めたAI、今から三十年後、二〇四五年には人間の知能を超えるとも言われておりまして、AIがヒット曲やベストセラー小説を生み出すときが来るかもしれないと言われております。

 世界的ベストセラーである「インターネットの次に来るもの」の著者であるケビン・ケリー氏は、インタビューにおいて、AIの高度化と普及の進展に伴い、多様なAIがネットワークを通じてつながり、多様なAIの知性を組み合わせることで人間を手助けするという形で、人間とAIが協働する未来が訪れるとの展望を示しています。

 まさに、AIは、インターネット等情報通信ネットワークとつなげて利用されるものでありますので、今後、AI同士が情報通信ネットワークを通じて相互につながって、人間の生活と社会に広く浸透していく、このように考えられます。

 そこで、総務省として、このAIネットワーク化に関して、中長期的にどのように進展していくものと展望しているのか、見解をお聞かせ願えますでしょうか。

○谷脇政府参考人 お答えを申し上げます。

 総務省におきましては、本年の二月から六月まで開催をいたしましたAIネットワーク化検討会議におきまして、委員御指摘のAIネットワーク化に関しまして、二〇四〇年代までを見据えながら、AIが他のAIとは連携しないで単独で機能する第一段階、それから、AIとAIがネットワークを形成し、相互に連携するAIネットワークが実現する次の段階、こうした段階を経て、人間とAIネットワークが社会のあらゆる場面において共存する段階にまで進展していくものというふうに展望しているところでございます。

 また、本検討会議におきましては、AIネットワーク化の進展を通じて目指すべき社会像として、人間の知恵が相互に連携する智連社会という言葉を掲げております。この智連社会とは、人間がAIネットワークと主体的に共存し、データ、情報あるいは知識を自由かつ安全に創造、流通、連結して智のネットワークを構築することによって、創造的で活力のある発展を可能とする人間中心の社会像と整理をしているところでございます。

 総務省といたしましては、今申し上げた人間中心の智連社会の実現に向けて、国内外の関係機関と積極的に連携をしながらさらに取り組みを進めてまいりたいと考えております。

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 まさに、智連社会ということで、これからさまざまなネットでAIがつながってくる。

 こんな時代の流れを見据えてか、今月の二日に開かれた政府の構造改革徹底推進会合におきまして、AIが人の表情や声などから人間の意思を予測して動く高度な介護ロボットを二〇三〇年以降に実用化する目標などを盛り込んだ、医療・介護分野でのAIの研究開発と産業化に向けた工程表案が公表されました。

 このように、今後、AIが私たちの心の中まで入り込むというか、考えながら、生活のあらゆる場面でかかわることが想定される中で、強く求められるのがその安全性であると思います。AIのネットワークが私たちの生活や社会に広く浸透していくこの時代の流れの中で、最大の努力と準備を進め、万全を尽くして、今のうちから全ての人々を支えるAIネットワーク社会の成功と発展への道筋をつけることが大切であると考えております。

 そこで、ネットワーク化されたAIが安全に人々の生活を支え、社会の安定に貢献する未来を構築するために、総務省として、AIネットワーク化に関しこれまでどのような取り組みを進めてきたのか、お聞かせ願えますでしょうか。

○谷脇政府参考人 お答えを申し上げます。

 総務省におきましては、先ほど御答弁を申し上げましたAIネットワーク化検討会議を開催いたしまして、二〇四〇年代を見据えつつ、AIネットワーク化の進展を通じて目指すべき社会像や基本理念の整理、また、AIネットワーク化が社会経済にもたらす影響、そしてリスクの評価や検討すべき課題の整理を進めてきたところでございます。

 この検討会議におきましては、本年二月から六月までの間、分科会等を含めて計十八回の会合を開催いたしまして、四月に中間報告、また六月に報告書二〇一六を取りまとめていただいたところでございます。

 こうした検討の成果につきましては、例えば、四月末に行われましたG7香川・高松情報通信大臣会合におきまして、高市総務大臣から、AIの研究開発に関する八原則を提唱いたしまして、参加各国からも国際的な議論を進めることについて賛同が得られたところでございます。

 私どもといたしましては、引き続きこうした国際的な議論をリードしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○輿水委員 ありがとうございます。

 まさに、総務省において、さまざまな問題を先取りしながら積極的な議論がなされているということがわかったわけでございます。

 AIは、過去の経験や知識、情報の処理能力では、やがてあらゆる分野で人間を超えるとも言われておりますが、そのAIの出した結論を活用するか、またどう活用するかを決めるのは人間であると思います。そして、その社会実装のあり方というのは、人類の未来を大きく左右することにもなるのではないかと思っております。

 そこで、人間を中心としたAIネットワーク社会、AIの生み出す知恵と知恵が連携し、人類の繁栄と発展をもたらす、先ほどの智連社会、ウイズダム・ネットワーク・ソサエティーの実現に向けて、世界の国々が一堂に会しAIの利活用に関する物事を議論する国際的な会議を日本が主導していく、そういったことも大変に意義のあることではないかというふうに考えるわけでございますけれども、ここで高市大臣のお考えをお聞かせ願えますでしょうか。

○高市国務大臣 今局長から答弁しましたとおり、ことしの四月のG7情報通信大臣会合では、日本からAIの研究開発に関する八原則を提唱して、参加各国から国際的な議論を進めることについて賛同を得ることができました。

 その後ですが、六月に行われたOECDデジタル経済に関する閣僚級会合においても、このG7情報通信大臣会合の成果を御紹介しながら、AIネットワーク化に関する国際的な議論の必要性を提唱しました。

 さらに、日本主導で国際的な議論を進めるために、AIネットワーク化検討会議を発展的に改組しまして、先月、AIネットワーク社会推進会議を立ち上げました。この会議で、AI開発原則の内容を具体化したAI開発ガイドラインに関する検討を進め、さまざまな分野でAIの具体的な利活用の場面を想定して、AIネットワーク化の社会経済にもたらす影響やリスクについても御検討いただき、来年の夏ごろを目途に報告書を取りまとめていただきます。

 さらに、これから、国内の関係機関はもとより、G7やOECDなどとも連携して、AI開発ガイドラインの策定に向けた国際的議論を具体化、活性化させて、そして、その中心的な役割を日本が果たしていきたいと考えております。

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 まさに、出だしが肝心でございまして、しっかりとした議論の中で、本当に日本が中心的な役割をぜひ果たしていただければ、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 時間も大分押し迫ってまいりましたので、若干質問を飛ばさせていただきまして、前回ちょっと聞きたくて聞けなかったことなんですけれども、近年、ICT、IoTの利活用ということで、さまざまな部分で利活用が進んでいるわけですけれども、特に私が気になっているのが、日本の耕作放棄地でございます。

 四年前、耕作放棄地が三十二万ヘクタールということで、これが埼玉県の面積で大変だということで騒いでいたんですけれども、もう既にそれが四十万ヘクタールと急激にふえている。このような状況の中で、この耕作放棄地の増加に歯どめをかけるためにも、農業へのICT、IoTの活用は大変に重要であると考えております。

 しかしながら、農業の現場にはICT、IoTの人材が少ない現実もあり、現場への総合的な支援が必要である、このように考えているわけでございます。

 そこで、農林水産業にICT、IoTを活用するスマート農業の地域実装について、総務省の具体的な取り組みの現状と今後に向けた意気込みをお聞かせ願えますでしょうか。

○あかま副大臣 お答えいたします。

 今、委員おっしゃるように、農林水産業は、特に地方においては、さまざまな面で御苦労があり、また重要な役割も担っております。担い手の減少であるとか高齢化というようなもの、また新規農業者への技術の継承といった大きな多くの問題、課題を有していると思っております。

 その課題に対する手だて、また解決策として、今おっしゃるいわゆるスマート農業というものは有効である、そのことによって、労働力の負担の減少であるとか生産性の向上、これが図られるものというふうに思っております。

 そういった意味で、その中で、総務省では、例えば、農林水産省等と連携をして、農業の現場またICT双方の専門家から成る研究会を開催し、農業情報の利活用に係る標準化のガイドラインの策定を進めておるところでございます。

 現在、農業、医療など生活に身近な分野での地域発の先導的なIoTサービスの創出、展開を後押しする実証事業、これに全国で八チームが取り組んでおりますが、このうち二つは農林水産部門でございます。

 そうしたことを踏まえながら、各分野の課題それからICT活用の進め方のモデル、政策ツールの取りまとめ、達成すべき指標、効果などを盛り込んだロードマップを年内に策定、公表することというふうにしております。

 総務省といたしましては、このような作業を通じながら、関係省庁や自治体とも連携協力を深め、あらゆる政策ツールを総動員して農業のICTの地域実装を進めて、若い人にとって魅力ある農業、これにぜひしっかりと取り組み、地域の活性化に貢献したい、そういうふうに思っております。

 以上です。

○輿水委員 どうもありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。

 時間もぎりぎりですか、時間になってしまいました。ただ、一つだけ聞かせていただいてもよろしいですか。

 では、聞かせていただきます。

 先ほど高木先生からも実は質問がありまして、財政審においての交付税の削減ということで、地域では給与関係費や投資的な経費を本当に抑えて頑張っているにもかかわらず、計画に対して決算が下回っている、こういった答申が出たわけでございますけれども、これに対しての、高市大臣として、これは違うんだ、またそういうものではないんだということで、ぜひ財務省にしっかりとした取り組みをしていただきたいとまた思うんですけれども、その辺の思いだけをまず語っていただけますでしょうか。

○高市国務大臣 先ほど答弁がありましたとおり、財務省の試算には大いなる疑問を感じておりますので、これまでも記者会見や国会において私から意見を述べておりますし、総務省としても事務的に記者の方々に対して説明会も行っております。

 十一月一日に開催された地方財政審議会でも議論をしていただいておりますので、今後とも必要な主張はしっかりと行ってまいります。

○輿水委員 ありがとうございました。