第189回国会 本会議 第34号

・労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
・労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案(井坂信彦君外五名提出)

○議長(大島理森君) 輿水恵一君。

 

    〔輿水恵一君登壇〕

 

○輿水恵一君 公明党の輿水恵一でございます。

 

 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の立場で討論を行います。(拍手)

 

 日本は今、世界でも類を見ない少子高齢化と人口減少が進行している中、経済や社会の持続と成長のための改革は待ったなしであります。働きたいと希望する全ての人がその能力を生かしていくために、多様な働き方ができる社会を構築しなくてはなりません。

 

 本法律案は、派遣労働者が正社員を希望するなら、キャリアアップ支援等によって正社員への道を開き、一方、派遣という形態を選択するのであれば、労働者としてその権利が十分に守られるようにするものであります。まさに、労働者保護の観点から、派遣労働者の雇用安定と正社員化に向けた大きな一歩であると評価をいたします。

 

 以下、本法律案の主な賛成理由を述べます。

 

 第一に、今回の改正では、教育訓練を受けにくくキャリア形成がされにくい派遣労働者に対して、キャリアアップ措置が義務化される点であります。具体的には、派遣元に対し、計画的な教育訓練やキャリアコンサルティングを義務づけ、さらに派遣先においても業務遂行に必要な教育訓練を行うなど、派遣労働者の職業能力の向上のための取り組みが強化されます。

 

 第二に、派遣事業を全て許可制にしていく点であります。許可取り消しを含めた厳格な制度に変更する中で、キャリア形成支援制度を派遣会社の許可、更新要件とすることにより、全ての派遣会社が計画的に人材育成を実施することになり、派遣労働者の職業能力の開発という点において大きな改革がなされるものであります。

 

 第三に、派遣は臨時的、一時的という考えのもとで法律の運用を行うことになり、望まない形での派遣への固定化の防止が図られる点であります。三年ごとの節目節目で派遣労働者の雇用安定のための措置を派遣元に義務づけ、現行の派遣先で自分の能力を存分に発揮する道に進むのか、新しい職場で自分に合った仕事を探し続けるのかなど、一人一人が自身のキャリアを考えながらの職業能力の開発が期待されるものであります。

 

 第四に、専門的業務である二十六業務を廃して、全ての業種に一律に期間制限を設ける点であります。これにより、派遣期間規制が見直され、事業主、労働者双方にとってわかりやすい制度になります。

 

 第五に、法案の附則において、我が党の主張を踏まえ修正が加えられ、均等・均衡待遇について検討するため、調査研究その他の必要な措置を講ずると明記されました。今後、しっかりと調査研究を進めることで、我が国が目指すべき労働市場、雇用制度を議論する契機になることと期待するものであります。

 

 以上、主な賛成理由であります。

 

 なお、三党から提出された労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案に関しては、自民党、公明党、維新の党で修正協議を行い、修正されたことを踏まえ、賛成をいたします。

 

 今回の労働者派遣法の改正が、派遣元と派遣先が連携して、個々の派遣労働者の意欲や希望などを丁寧にくみ上げながら教育訓練による業務範囲の見直しなどを進め、一人一人の可能性を引き出し、個々の能力を高めることにつながるように、そしてより付加価値の高い業務、そしてより賃金の高い職域に、さらに、希望する場合は正規雇用としてより安定した就労への道筋をつけることにつながるよう、的確に法律を運用していただくことを期待し、私の賛成討論といたします。

 

 ありがとうございました。(拍手)