第189回国会 厚生労働委員会 第6号

独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第二三号)

○渡辺委員長 次に、輿水恵一君。

 

○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 

 本日は、質問の機会を与えていただきまして、心より感謝を申し上げます。

 

 私からも、この独法整備法案の質疑ということで、私は、各独法の役割等の確認も含めながらるる質問をさせていただきたい、このように思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

 

 初めに、労働安全衛生総合研究所と労働者健康福祉機構の統合について伺わせていただきます。

 

 労働安全衛生総合研究所では、さまざまな職場における労働者の安全及び健康を確保するために、理学や工学、医学、さらには健康科学などさまざまな観点から、労災や職業性疾病の防止に向けて総合的、専門的な調査研究を行ってきたというふうに認識をしております。

 

 また一方、労働者健康福祉機構は、労働者のいわゆる労災疾病などの予防や治療、さらに職場復帰に向けてのリハビリなど、労災病院などによる医療的な支援を行い、さらに、各職場の管理者に対して産業保健に関するそういった相談、研修、情報提供などを都道府県の産業保健総合支援センターを通して行ってきた、このように思っております。

 

 そこで、労働安全衛生総合研究所、これも今まで大きな役割を果たしてきました。また、労働者健康福祉機構、これも、こういった労災病院を中心にさまざまな取り組みを進めてきた。この今日までの活動における主な成果について、まずお聞かせ願えますでしょうか。

 

○岡崎政府参考人 両独法の機能につきましては今もう既に先生から御示唆いただいたとおりでございますが、少し具体的に、どういうことをやってきたかということでお答えしたいというふうに思います。

 

 まず、研究所、安衛研の方でございますが、ここは、例えば足場からの墜落防止でありますとか土砂崩壊への対応等々、こういったような具体的な機械的、工学的な関係等の調査をしたり、あるいは、例えば介護労働者の腰痛の防止とか、そういうやや医学的なものとか、そういった調査研究を行いまして、それを踏まえて、安全衛生法関係の規則の改正でありますとか、あるいはいろいろな技術基準の策定等々、こういったものに貢献してきているということがあります。

 

 それから、具体的ないろいろな事件等が発生した場合につきまして、行政機関からの指示あるいは要請を受けましていろいろな対応もしている。最近の例では、例えば、印刷業務におきまして胆管がんが発生したというふうなことにつきまして、この調査を担当したりでありますとか、あるいは、海底のシールドトンネルに海水が入ったという事故がありましたけれども、その水没事故の調査を行ったりとか、そういう具体的な事故とか事例に対しての検討も行っているということでございます。

 

 一方、労福機構の方でございますが、これにつきましては、例えばメンタルヘルスの関係につきましては、いろいろな、治療実績等も踏まえまして企業が復職の可否の判断を行う際の評価基準の作成を行ったりでありますとか、それから、アスベストに関しましては、病歴、職歴データの分析を行いまして、石綿暴露によります中皮腫の発生の事例というのが八五%あるというふうなこと等、さまざまな貢献もしてきているということでございます。

 

 そういったことのほかに、例えば、労災の認定につきましても医学的な意見書というのが必要でありますが、労福機構の担当のお医者さんによりまして、年間三千件を超える意見書も提出している。そういった意味で、労災補償等の関係につきましてもいろいろなバックアップをしていただいている。

 

 こういうさまざまな機能を果たしてきております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 まさに、研究所の方で労働者の安全と安心のためのさまざまな研究がなされ、そして福祉機構の方では、現場に直結した、そういった取り組みを進めながら、それぞれが成果を出してきた、このように承りました。

 

 そんな中で、近年、企業間競争の激化、あるいは一人一人の業務の高度化や複合化など、そういった問題の中で、職場環境が大きく変化をし、ストレスに悩む勤労者というのがふえていると伺っております。実際に、仕事に関して強い不安やストレスを感じているという労働者が全体の六割以上にも上る、そういった調査結果も出ていると伺っております。

 

 慢性的なストレスというのはさまざまな疾患を引き起こすとも言われている。実際に、ストレス等による体調不良というのが、その原因がわからず一人で悩んでおられる、そういった方も多いと伺っております。労働者健康福祉機構では、このような労働者の悩みに対応するために、専門のカウンセラーを配置し、心の電話相談を開設していると聞いております。

 

 労働の現場のストレスというのは大きな問題であると思いますが、労働者のストレス等に対して各職場が適切に対応して一人一人の心身の健康を維持していく、このことは非常に重要なことであるというふうに考えるわけでございます。

 

 そこで、山本副大臣にお伺いしますが、今般の両法人の統合により、労働者の心身の健康管理のためにどのような取り組みの効果が期待できるのか、この点についてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○山本副大臣 先ほど加藤委員の方にもお答えさせていただきましたけれども、今般の両法人の統合によりまして、まず、労災病院におけます治療や病歴、職歴に関するデータを収集させていただいておりますけれども、収集したデータを活用した基礎研究、応用研究を行ってまいります。そして、その研究成果の事業場への提供により労働災害の予防や職場復帰支援に活用していく、こういったことによりまして、予防、治療、職場復帰支援を総合的に展開する体制を構築することが可能となりまして、いろいろと御指摘の労働災害の減少に資するものと期待をしております。

 

 ちょっとストレスという話と直結はしないんですけれども、具体的にどういった取り組みをしていくかという話なんですが、例えば、化学物質による被害のおそれというものを把握した場合に、労災病院が有するデータを活用いたしますと、より精度の高い調査対象を選定することができるようになります。その上で、被災者へのヒアリング等詳細な調査を効果的に実施ができまして、原因物質の特定や発生原因の解明を行うことができるようになると期待しております。

 

 また、先ほど労働災害についてお話がございましたけれども、その中でも転倒災害が最近ふえておりますが、これについては、今研究はやっているんですけれども、今度、労災病院のデータを活用することによって新しい手法でその減少に資するような調査研究ができないかということを、今、統合に向けて検討していくこととしております。

 

 とにかく、こうした取り組みによりまして、働く人々の心身の健康をしっかりと確保してまいりたいと考えております。

 

○輿水委員 ありがとうございました。

 

 研究所のそういった研究と労災病院のそういった臨床のデータをうまく組み合わせながら、一つ一つのそういった労災に適切に、また迅速に、的確に対応できると。わかりました。ありがとうございます。

 

 ここで、先ほどストレスに触れたので、ストレスつながりでちょっと確認をさせていただきたいんです。

 

 職場のストレスにおいては、本年の十二月一日から、従業員五十名以上、そういった事業場でストレスチェックの実施等が義務となる。このストレスチェックの結果は、当然、本人の同意がなく事業者に提供することは禁止されておりますが、一方、個人を特定しないパーソナルデータとしての活用は認められており、職場ごとの分析がなされ、さまざまな課題が浮き彫りになるものと思います。

 

 現在、ストレスチェックの実施に向けての準備を労働局の方で進めていると思いますけれども、ストレスチェックを有効に活用し、労働者の心身の健康管理に役立てるためには、各職場でのストレスチェックを適切に実施するとともに、この分析結果に応じて、職場環境の改善、こういったものも進めることが必要だと思っております。

 

 そこで、今回の統合される独立行政法人の労働者健康安全機構、また労働局、この連携のもとに、ストレスチェック、また職場の心身の健康というものをどう維持していくか、どのような役割の中でその機能を果たしていくのかについてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○土屋政府参考人 お答え申し上げます。

 

 先生御指摘のとおり、昨年の六月に成立をしていただきました改正労働安全衛生法に基づきまして、ストレスチェックの制度を本年の十二月から施行させていただく予定でございますが、この制度では、労働者のストレスへの気づきとともに、職場環境の改善を目的とした、そういった制度としてございますので、特に個別の企業の中では、集団的な分析をやっていただくことによりまして、企業の中でも活用をしていただくということが重要であるというふうに思っております。

 

 今回の統合する法人との関係でございますが、従来から、労働者健康福祉機構では、各都道府県に産業保健総合支援センターを設置してまいりました。ストレスチェック制度の実施に当たりましては、この各センターにおきまして、制度の意義のほか、具体的な実施方法、それから職場環境の改善を含めた活用方法等につきまして、一つは、産業医などの産業保健スタッフ向けの研修をするということ、それから、事業者向けの相談をやっていくということ、そして、必要に応じまして個別の事業所への支援を行っていく、こんなことを考えてございます。

 

 また、労働局や監督署におきましては、事業主向けの説明会等々を通じまして、制度についての周知を図るほかに、ストレスチェックの実施状況の把握、あるいは法令上の問題があるような場合においての事業主に対する指導、こういったものを通じて、制度の適切な施行に向けた対応をしていきたいというふうに考えております。

 

 いずれにいたしましても、先ほどお話がありましたように、新しい法人と労働局との役割分担と連携のもとで、ストレスチェック制度が特に企業の中において職場環境の改善につながるような活用のされ方をするように、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 そもそも、ストレスというものも、全く、あってもいい、あってもいいんだけれども、それをどうコントロールして、そして、その中で力を発揮していくかということで、ストレスのあり方、またストレスをどうコントロールしながら職場環境をよくしていくか、そんな取り組みをしっかり進めていただきながら、一人一人がその能力を最大に発揮できるような、そういった職場を目指していただければと思います。

 

 両法人の統合における最後の質問といたしまして、今回、国の委託事業として進めてきた日本バイオアッセイ研究センター事業としての化学物質の有害性調査、これがこの法人に統合をされましたが、その背景と理由について確認をさせていただけますでしょうか。

 

○土屋政府参考人 御指摘ございました日本バイオアッセイ研究センター事業は、労働安全衛生法の規定に基づきまして、国が中央労働災害防止協会に委託をして、化学物質のがん原性の調査をこれまで実施してきたところでございます。

 

 この調査は、発がん性が疑われる化学物質につきまして順次これまで調査を実施してきたところでございますが、一つの物質について、準備期間を含めますと五年程度の調査期間を要するような長期にわたる調査を行うものでございまして、継続的かつ安定的な実施が必要になってございます。

 

 このため、今回の見直しを検討する際に、これまでのように単年度ごとを原則とする国の委託事業によって実施をするのではなくて、中期目標あるいは中期計画に基づいて業務運営を行う仕組みを有している独立行政法人において実施をすることがより適当であるというふうに判断をいたしまして、この新しい統合法人の業務とさせていただいているところでございます。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 確かに、この有害性調査、中期的なそういった目標の中でしっかりと進めていくべきものという形での統合ということで、よくわかりました。ありがとうございます。

 

 それでは、続きまして、勤労者退職金共済機構の組織、事務の見直しについて質問をさせていただきたいと思います。

 

 勤労者退職金共済機構は、勤労者の皆様の生活の安定のため、また事業主の皆様にとっても優秀な人材を確保するために、退職金共済制度や勤労者財産形成促進制度を運営している法人であります。

 

 まず、この組織の見直しについて、機構の資産運用業務のリスク管理体制を強化するために、外部委員五人以内で構成される資産運用委員会を設置するとのことでございますが、この勤労者退職金共済機構では、これまでどのようなリスク管理のもとで資産運用を行ってきたのか、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○岡崎政府参考人 従来につきましては、理事長が任命するという形になっておりますが、基本的なポートフォリオを検討するALM委員会と、それから資産運用が適切に行われているかという資産運用評価委員会、この二つを置きまして、それらに諮問をして、その意見を聞きながら理事長が判断して対応してきている、これがこれまでのやり方でございます。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 そもそも独法、理事長がしっかりとした責任を持って、そしてその業務を遂行していくということで、その理事長の任命の中でそういった運用が行われてきたということでございます。

 

 今までは、実際、約四・五兆円程度の資産を、国内債券の割合が、二十三年四月現在のデータを見させていただきますと、七六・九という形で、非常に堅実に運用されている、このように感じております。

 

 そして、今般の改正で大臣任命の資産運用委員会が設置される。今後は、当然、より堅実、しかし、より効率的な運用が進められるものと考えておりますが、この資産運用における責任の所在、こういったものはどのようになっているのか、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○岡崎政府参考人 勤労者退職金共済機構は、あくまでも独法制度という中での制度でございます。したがいまして、最終的な決定の権限あるいは責任につきましては理事長が集中して持つ、この制度自体につきましては変わりがございません。

 

 しかしながら、やはり一方では、先生御指摘のように、四・五兆円の資産を運用している。これが、堅実であり、かつ効果的に運用されなきゃいけないということであります。

 

 したがいまして、理事長の責任は前提としながらも、しっかりとした資産運用の議論とか監視が行われる体制が必要だ。それも、理事長がみずからということではなくて、厚生労働大臣がしっかりと任命して、専門家の意見を理事長に聞いていただく、そういうような体制をとるということにしたということでございます。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 まさにこの資産運用委員会、これがオープンで、いろいろなことを議論して、議論したことを理事長に申し出て、理事長がそれをどう判断したか、そういったある程度透明性を確保した上でその運用が適切になされる、このように理解をさせていただきました。

 

 次に、事務の見直しですね。今は組織の見直しということで、今度は事務の見直しで、中小企業退職金共済制度の間での退職金の通算において、退職してから新しい会社に就職した後、通算の申し出ができる期間を二年から三年に延ばす、さらに、建設業退職金共済制度の退職金が支給される掛金納付期間を二十四カ月以上から十二カ月以上という形で短縮するなど、勤労者の立場に立った改正が行われているというふうに感じます。

 

 また、さらに今回、退職金の未請求の発生防止対策、先ほども質問にありましたが、それが進められると伺っておりますが、中小企業退職金共済制度において、請求されていない退職金、いわゆる未請求の退職金の支払いについて、これまでどのような取り組みをしてきたのか。

 

 また、あわせて伺いますが、中小企業退職金共済制度の退職金請求の時効は何年か。また、時効を経過した退職金の未請求者の数は何件か。さらに、時効を経過したら退職金は支払われないのか、支払われるのかについてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○岡崎政府参考人 中小企業退職金共済制度におけます未請求の発生、これは幾つか原因があるというふうに思いますが、一つは、事業主の方が拠出をしていて、被共済者であります従業員の方が必ずしも十分その制度に加入していることを知らない、あるいは、やめたときにそこがしっかりと周知されていないという問題、それからあとは、退職するに際しまして、住所が変わられる、転居されるという方も相当数いる、そういったことが原因だろうというふうに思っています。

 

 そういう中で、一つは、やはり事業主が制度に入っているということを従業員の方にしっかりと周知していただくということが必要だろうということで、それについて事業主にしっかりと指導しているというようなことでありますとか、それから、制度の加入中につきましても、掛金の納付状況でありますとか退職金の試算額を、事業主を通じて被共済者であります従業員の方に送付する、そして、退職後につきましては、事業主を通じて住居を把握するというようなことで対応してきましたが、これに加えて、今回は、住基ネットを活用するということにしたいということでございます。

 

 そして、時効の関係でございますが、時効につきましては、五年でございます。これは、制度発足は昭和三十四年でありますので、相当長期に運用してきております関係もありますが、累計ということでありますと、約五十万件というものが未請求になっているということでございます。

 

 時効が経過した場合につきましても、機構の方では記録はとってありまして、請求があればお支払いするというような対応をこれまでとってきているところでございます。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 時効の未請求の方が五十万件ということで、しかし支払われる、そういった方向で今取り組まれているということなんですけれども、確かに、支払いたくとも、相手と連絡がとれなければなかなかこの先が進まないと思うんです。

 

 そういったことも含めて、今回の改正における住基ネットの活用もそこに含まれていると思うんですけれども、この未請求退職金の支払いについて、これらの取り組みも含めて、今後どのように進めようとしているのか、山本副大臣、お答え願えますでしょうか。

 

○山本副大臣 ただいま局長の方からもお話がございましたけれども、これまで、勤労者退職金共済機構から直接、退職した方に対して、退職金の請求手続を促すような取り組みを一定のタイミングで行ってきたわけですけれども、今回の法改正によりまして住民基本台帳ネットワークが活用できるようになりますと、これまでわからなかった住民情報を割り出すことができまして、把握することができなかった方にも連絡がつくようになります。

 

 今後、住民基本台帳ネットワークをうまく活用させていただきながら、一人でも多くの方に確実に退職金を支給できるように、未請求者の実態に応じまして取り組みを強化してまいります。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 先ほどの、まず、未請求者が発生しないように、しっかりとこういったものに入っているんだということを社員に教育すると同時に、今度は、引っ越してもわかるような、そして追っかけていくということで適切にお支払いができるように、よろしくお願いを申し上げます。

 

 それでは、続きまして、福祉医療機構に関して質問をさせていただきたいと思います。

 

 超高齢化社会を前に、社会福祉施設や医療施設が適切に整備され、安定的に運営されるということは大変に重要であると思います。そのための融資から運営における総合的な支援を行う福祉医療機構の役割は年々大きくなっているというふうに感じております。

 

 そこで、福祉医療機構の実施する福祉医療貸付事業は、地域の福祉、医療に必要とされている社会福祉施設や医療施設を対象としておりますが、近年、経営不振のため返済が困難となっている社会福祉施設や医療施設もあると伺っておりますが、この福祉医療機構ではそういう状況に対してどのように対応されているのか、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○鈴木政府参考人 福祉医療機構におきましては、社会福祉施設あるいは医療施設が地域において安定的に運営できるように、融資後のフォローアップにおきまして、きめ細かな支援に取り組んでおります。

 

 具体的に申しますと、今後の返済が懸念される融資先に対しましては、面談あるいは実地調査等によりまして経営不振の要因を分析いたしまして、支援を実施するといったようなことで、まずは、経営不振に陥らないように未然防止に努めているということでございます。

 

 また、既に経営不振状態になっている融資先、これに対しましては、経営改善計画の検証、助言を行う。あるいは、借入金の返済が困難な法人がございますと、償還期間の延長などの貸し付け条件の緩和を行う。そしてまた、一時的に資金繰りが困難な社会福祉法人もございます。こういったところに対しましては、運転資金の貸し付けを行う。

 

 こういったような柔軟な対応をとっておりまして、こういったことを通じまして、社会福祉施設あるいは医療施設の安定的な経営を支援しているということでございます。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 さて、今回の福祉医療貸付事業について、金融機関のリスク管理の専門性を持つ金融庁の検査が入ることにより財務の健全性が適切に図られる、このように思っております。

 

 これに加えて、今回、福祉医療機構の承継債権管理回収業務で回収した年金住宅融資等債権について、国庫納付を複数回するということで、先ほども質問があり、事務手数、そういった話もありましたが、ここでは、複数回することによってどのような効果が期待されるのか、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○山本副大臣 御指摘の福祉医療機構の承継年金住宅融資等債権管理回収業務の国庫納付、これを年一回から複数回として、回収した資金を年金給付の原資として迅速に活用することによりまして、年金積立金の取り崩しを抑えて、利回りの高い運用に回す資金をより多く確保できるようになりまして、結果といたしまして、年金財政の改善に寄与するものと考えております。

 

 具体的には、仮に元本の国庫納付の回数を年四回とした場合の試算の結果でございますけれども、年金財政における効果額といたしましては、おおよそ十億円程度であったということでございます。

 

○輿水委員 わかりました。

 

 では、細かくやることによってその試算の益というものがちゃんと確保されるようになるということで、ちょっと大変かと思いますけれども、国民の貴重な財産であると思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げます。

 最後に、年金積立金の管理運用独立法人の改正について、時間がある限り質問させていただきたいと思いますが、まず、率直に質問させていただきます。

 

 年金積立金の運用におけるポートフォリオ、昨年十月三十一日に見直しがなされました。国内債券を六〇%プラマイ八から何と三五%プラマイ一〇に大幅に引き下げ、国内外の株式比率を上げましたが、そこでまず、この基本ポートフォリオの見直しの背景と理由についてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○香取政府参考人 御答弁申し上げます。

 

 昨年のGPIFの基本ポートフォリオの見直しにつきましては、新しい財政検証の結果を踏まえまして、GPIFにおきまして、経済、金融等の学識経験者から成る運用委員会、大臣任命でございますが、運用委員会の意見を踏まえまして、資金運用に関して一般的に認められる専門的な知見に基づきまして、慎重に検討を重ねて実施したものでございます。

 

 具体的に、この考え方でございますが、現在の基本ポートフォリオ、直した後の基本ポートフォリオは、デフレからの脱却あるいは適度なインフレ環境への移行という我が国の長期的な経済あるいは運用の環境が大きく変わるということに即しまして、従来の国内債券中心の運用でありますと、必要な年金給付、実質的な年金給付を確保することがなかなか困難になるだろう、そういう想定のもとに、被保険者の利益のために最適な運用を行う、必要な運用利回りを確保するために最適な運用はいかなるものかということにつきまして、先ほど申し上げました運用委員会で御検討いただきまして、策定されたものでございます。

 

 したがいまして、そういった見直しの結果として、お話ありましたように、国内債券の比率が下がり、株式比率が上がるといった結果になったというふうに承知しております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 ちょっと時間となりましたので、この年金積立金、将来の年金給付の貴重な財源であり、長期的な観点から安全かつ効率的な運用をしっかりと進めていただきたい、このように思っております。よろしくお願いいたします。

 

 以上で終わります。ありがとうございました。