第186回国会 厚生労働委員会 第8号

理事の辞任及び補欠選任

政府参考人出頭要求に関する件

独立行政法人医薬基盤研究所法の一部を改正する法律案(内閣提出第五八号)

○後藤委員長 次に、輿水恵一君。

 

○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 

 本日は、質問の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。

 

 早速でありますが、質問に入らせていただきたいと思います。

 

 昨日より、健康・医療戦略推進本部、また日本医療研究開発機構についての議論がなされてまいりました。

 

 日本は世界に誇る長寿の国、その中にあって、健康は非常に重要な課題であると思います。そして、それを支えていく上で、食と薬、これはまたそこに重要な要素があるのだろうと私は考えております。

 

 そんな中で、例えば創薬という分野におきますと、当然、基礎研究から治験、また実用化という流れの中で、基礎研究の部分では、理化学研究所等の、文科省のそういった部分の役割がある。そして、産業化については、先ほど来ありましたが、産業技術総合研究所、そういった役割のものがある。その間にあって非常に重要な役割を果たしているのが、まさに医薬基盤研究所であると私は考えております。

 

 この医薬基盤研究所、きのうの議論の中で、機構からトップダウンでいろいろなテーマがおりてくる、それを受けて仕事をしていくと同時に、やはり研究所であるからには、ボトムアップ、自由な発想の中で、将来必要だと思うこともしっかりと自分自身の考えの中で進めていく、こういったことも大事であると私は考えております。そして、この研究所は、先ほどあったワクチンの基盤の研究、感染の制御、あるいは幹細胞等の制御、また難病等の研究もなされている、このように伺っております。

 

 まず初めに、この医薬基盤研究所、今日まで、医薬品及び医療機器等の開発を行い、その研究の成果を普及する、そういった役割を果たしてきた、また、基礎的研究を他に委託して成果を普及していく、こういった業務の役割の中で、具体的に、どのような目標で業務が進められ、どのような成果をどのように普及されたのか、簡単に御説明していただけますでしょうか。

 

○三浦政府参考人 医薬基盤研究所で行っております研究につきましては、民間における研究開発を支援するという役割がございまして、その観点から、個々の医薬品の開発に直結しにくい共通的な創薬に関する共通的な研究を実施する、その成果を普及することによって新しい革新的な医薬品等を創出する、こういうようなことが目的でございます。

 

 これにつきましては、幾つものプロジェクトがこの研究所では動いておりまして、どれ一つとっても、大変輝かしい結果がもたらされているものが多いわけでございますけれども、基本的に、まず、今御指摘がございましたような例えば幹細胞の点で申し上げますと、医薬品のもととなる化合物というのがありますが、その化合物の毒性を評価するという技術は大変難しくて、今までいろいろな仕掛けをつくってやってきたわけですが、iPS細胞を使った肝臓の細胞を使うということによって、迅速にその毒性が評価されるようになる。

 

 それは、もちろん、医薬基盤研究所がそういう肝臓の細胞をつくるという、製品化に世界で初めて成功したということもございますが、その一方で、山中教授のiPS細胞の研究開発に対して世界で初めて研究費を提供するという形で、長らくその研究を支えてきたというのもこの医薬基盤研究所でございます。

 

 医薬基盤研究所が資金を提供してできたiPS細胞、そして、そのiPS細胞をさらに医薬基盤研がみずから使って新しい毒性評価のためのシステムをつくった、そういう意味では、これを一つの例といたしますけれども、まさに基礎研究からそれを応用していく技術まで、大変強い力を持っているというふうに考えております。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 まさに、日本は、製薬の部分でも、同じ金額をかけて新しい薬を開発する、その数というのは諸外国に負けていない、そういうデータも私も見させていただいておりまして、こういった取り組みが一つ一つそういった成果につながっているんだなということは、本当にすばらしいことだと思っております。

 

 その上で、こういった研究所と、もう一つ、国立健康・栄養研究所、ここが今度統合されるんですけれども、一方、この国立健康・栄養研究所は、国民の栄養の調査研究、あるいは、メタボ対策の研究といったらいいんですかね、運動と健康や、身体の活動評価研究みたいなものもされたり、エネルギー代謝の研究、また食の安全情報というか、そういったこともなされていると思うんです。

 

 この研究所につきましても、その業務の範囲として、国民の健康の保持及び増進に関する調査研究を進めていくというふうにうたわれているんですけれども、具体的なその取り組みの成果、どのような目標のもとで、どのようにそういったものを達成されてきたのか、伺いたいと思います。

 

○三浦政府参考人 国立健康・栄養研究所の目標でございますが、厚生労働省また地方自治体などにおける健康づくり施策に必要不可欠な科学的知見を集積し、発信するというのが目標でございます。

 

 具体的な例といたしましては、生活習慣病対策、いわゆるメタボのことも含めまして、運動と食事の併用効果に関する研究というものを実施いたしまして、厚生省が策定いたしました、健康づくりのための身体活動基準・指針二〇一三などのさまざまなガイドラインなどに、その知見あるいは研究成果が活用されているということでございます。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 そして、今回、先ほどの医薬基盤研究所と国立健康・栄養研究所、これが統合されて新しい組織になるわけでございますが、先ほど、この統合のメリットとか、いろいろな話題があったと思いますが、この日本、高齢化また長寿国家として、やはり健康というものがそのベースになるべきであって、今まで医薬基盤研究所が果たしてきたそういった世界最先端の技術と、そして、国立健康・栄養研究所の、現場の一人一人の体調管理というか健康管理、そういった視点、これがうまく融合してくることによってすばらしい成果が生まれると私は確信をしております。

 

 技術者の世界では、薬をつくる技術者というか研究者だけが集まって議論をしてもなかなか突破できないことに対して、栄養だとか食とかそういった視点を持った研究者が、同じ問題を悩み、考えることによって、新しい視点での新しい技術が生まれるケースもあるわけで、今回の統合というものを契機に、そういった、違った分野かもしれませんけれども、問題点を共有しながら新しい解決策を生み出すような、そんな取り組みに私は非常に期待をしているところでございます。

 

 そして、特に、今まで薬が、病気を治すというふうなイメージ、そういったものであったかと思いますけれども、病気を治すと同時に、病気にならない薬というか、新しい視点で、健康である長寿を確立するために予防をしていく、そういった知見での取り組みというのが、私は、ここの統合によって、大きく新しい日本の健康長寿の社会を開く上で期待をしているところでございます。

 

 このように、今回、業務統合された上で、国民の健康の保持や向上に役立つためにどのような統合の意味を考えているのか、また今後、どのように具体的に、国民の健康増進のためにこの統合の効果を出していこうとしているのか、具体的な考えと意気込みについてお聞かせ願えますでしょうか。

 

 では、副大臣の方でよろしくお願いします。

 

○土屋副大臣 先生の今のお話を聞いていて、まさに私も意見は同じでございます。この統合によりまして、本当に限りなくいろいろな可能性が広がっていくのではないかと考えています。

 

 特に、共同研究の実施でも、新しいプロジェクトをつくって、いろいろなことが可能性が広がるのではないかと思います。それからまた、合同で研究発表会の開催などもしていく企画もありますし、また、基礎研究成果の相互利用などを行うことも検討していますので、今まで以上に、本当にいろいろな情報が共有できていくのではないかと考えています。

 

 そして、医薬基盤研究所の医薬品に関する専門性と、国立健康・栄養研究所の栄養、食品に関する専門性が融合されていきますと、おっしゃるように、予防的な食、それから生活習慣病の対策への応用とか、医薬品と食品の相互作用の研究をさらに促進することでの相乗効果で、何か新しいもの、新しい意味が生まれるのではないかと考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 まさに健康の三つの要素ということで、食事と運動と休養というふうに言われているんですけれども、薬においても、病気を治すというよりも、どう予防していくか、また、そのための研究というものもあわせて、薬の研究から、病気を予防するための食のあり方とか、そういったものもさらに進むのではないかなというふうに期待をしているわけでございます。

 

 世界一の長寿の国が世界一の健康をかち取る、そんな国を開くためのすばらしい統合であったと言っていただけるように最大の努力をお願いしまして、また、将来へのそういった開発を期待しまして、私の質問を終わらせていただきます。

 

 大変にありがとうございました。