第186回国会 内閣委員会厚生労働委員会連合審査会 第1号

・健康・医療戦略推進法案(内閣提出第二一号)

・独立行政法人日本医療研究開発機構法案(内閣提出第二二号)

○柴山委員長 次に、輿水恵一君。

 

○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 

 本日は、このような質問の機会を与えていただきまして、心より感謝を申し上げます。

 

 私も、日本における世界最高水準の医療提供に資する研究開発について質問をさせていただきたいと思います。

 

 まず、きのうに引き続きの質問でございますが、健康・医療戦略のあり方について確認をさせていただきたいと思います。

 

 先ほど来、委員の皆様からありましたとおり、日本は、医療機器や薬などが、輸出に対して輸入が約二兆円超過をしている、こういった現実がある。まず、この現実についてどのような分析がなされているのか、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○原政府参考人 お答え申し上げます。

 

 我が国は、創薬という意味では、アメリカ、スイスに次ぐ世界第三位の地位を占めております。また、医療機器につきましても、診断系機器は輸出超過の傾向にあります。ただ、その一方で、御指摘のとおり、物の動きとして見た場合には、医薬品と医療機器合計で約二兆三千二百億円の輸入超過となっているところでございます。

 

 その要因は、日本は製造立地としての魅力に課題があるため、製造拠点を海外に移し、現地製造の製品をそのまま海外で販売しております。これは、統計上は輸出には含まれないところでございます。我が国の製薬産業、日本企業で見ますと、国内売り上げが約五兆円に対しまして、海外での売り上げは約三兆円ございます。この部分の三兆円というのは輸出にはカウントされないということになりますので、そういう統計上の問題も一つはございます。

 

 ただ一方で、最近非常に伸びております、がん領域における医薬品、あるいはバイオ医薬品については、非常に日本企業は弱いということも指摘されております。先ほど申しましたが、医療機器につきましても、侵襲性が高い治療系の機器もやはり輸入に依存しているということが挙げられると思います。

 

 いずれにしましても、医薬品、医療機器産業の発展のために、研究開発から実用化に至るまでの各ステージへの途切れることのない支援を進めていきたいと考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 創薬について、日本は結構進んでいるんだけれども、生産というか、製造面で海外に移転してしまっている、そんなケースもあるということもよくわかりました。技術的には日本はトップレベルだということで、それをいかに生かしていくのかが今後の課題だと思います。

 

 そこで、国内の市場と同時に、国際市場の開拓、またその推進が必要だと思うんですけれども、開拓だけではなくて、今後はやはりある程度のシェアを獲得するための取り組みが重要と考えます。

 

 そういった意味で、開発途上の国と先進的な国、そういった部分でのやりとり、若干違うかと思いますが、その辺の戦略についてどのように考えているのか、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○中垣政府参考人 我が国発のすぐれた医薬品、医療機器、あるいは再生医療製品等を世界に先駆けて開発するとともに、これらの成果をいち早く世界に輸出し、世界で拡大するマーケットを獲得するとともに、日本の医療技術、サービスの国際展開を推進するということは非常に重要なことだと考えております。

 

 こうした国際展開を推進するために、昨年四月に医療関係者でありますとか医療関係企業が集まりまして設立された一般社団法人メディカル・エクセレンス・ジャパンを支援するとともに、健康・医療戦略推進本部のもとに医療国際展開タスクフォースを設置いたしまして、関係府省、関係機関が一体となって、途上国や新興国の特性に対応した日本方式の医療技術、サービスの採用の促進でありますとか、個別の医療機関等の構築、運営支援、人材育成などの取り組みを進めることといたしております。

 

 具体的成果といたしまして、カンボジアの救急病院の設立を初めとして、いろいろな案件の組成が今世界各地で進展しつつあるところであると思っています。

 

 このように、健康・医療戦略推進本部を司令塔といたしまして、産学官の緊密な連携のもとで、医療の国際展開を着実に推進して、新興国の医療の発展にあくまで貢献するというものとあわせまして、日本の医療技術、サービスの海外市場の獲得を戦略的に推進していきたいと思っておるところでございます。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 まさに新興国へのしっかりとした早目の医療の支援というものが将来のシェアにもつながってくるし、貢献もできてくる。また、先進国においては、やはり、先ほどもあったかと思いますが、共同の開発、そんなものも視点に入れながら、ウイン・ウインの関係をつくり、そして、さらなる繁栄と発展を目指していく、そのようなことが必要なのかなと私も感じております。

 

 昨日の議論の中で、まさに健康・医療戦略推進本部が、知見的な助言あるいは政策的な助言を受けて方針を決めて、そして計画を策定する。そして、その策定したものを、今度は開発機構の方で受け取る。その中で、ここで重要な方がプログラムディレクター。その目標、計画を達成するために、その要素、要因をしっかり分析しながら、それぞれの機関に、どういったものをどれだけの予算でいつまでにやるか、そういったことを丁寧に出しながら、そしてそれを支えるプログラムオフィサーが、そういったものが円滑に進むようにしていく。そして、ある程度の技術といったものが確立をされてくる。

 

 そのようなイメージで、私も、まさに今回の機構と推進本部、大変に期待をしているわけでございます。

 

 そこで、先ほどの二兆円の輸入超過の問題の中で、まさに心配しているのが、国内でいい技術が開発された、また、将来的にやはり国内で生産をしていく、そして国内で雇用を生み出していく、国内でサプライチェーンをつくっていく、そういったことがある意味成長戦略として大変重要な課題であり、これは推進本部の戦略としてもしっかりと考えていかなければいけない、そういった内容だと思うんですけれども、技術が確立して、最終的にコスト競争になってしまったときに、海外に移転することがないような、そういった技術、また産業としての定着をどのように考えていくのか、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○加藤内閣官房副長官 輿水委員にお答えしたいと思います。

 

 今回の推進法の中にも、例えば基本理念の中で、健康長寿産業の創出、活性化により、我が国経済の成長に資するものとなることを旨とするということを明記させていただいているところでございます。

 

 実際、産官学が密接に連携して、我が国発の最先端の医療技術の開発をする、そこで終わったのでは次には進まないわけでありますので、それを、我が国の持っている物づくりの高い技術を継承、発展させていく、こういうことによって新たな産業を根づかせていく、そして、それによって雇用を創出していく、そういう循環をしっかりつくっていくことは極めて重要だというふうに思います。

 

 それからもう一つ、新たな雇用や産業を創出するためには、やはりベンチャー企業の役割も大変重要だというふうに認識をしておりまして、創薬等に係る投資促進を図るべく、バイオベンチャーなどの出資に実績のある産業革新機構に対する出資金を措置するなど、リスクマネーの供給を通じたベンチャー企業の支援に取り組んでいるわけでありまして、そうしたことを通じて、新たな企業が起こり、また雇用が創出されていく。

 

 そうしたことを今の御指摘も踏まえながらしっかり取り組んでいきたい、こういうふうに思っております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 私も、もともとそういった製造メーカーに勤めておりまして、量産品というのは海外に行く可能性があるんですけれども、日本のこういった繊細な、いろいろなところに気がきく、あるいは一つ一つに対応する、小回りがきく、そういったサプライチェーンをつくりながら、オーダーメードの医療機器とかオーダーメードの医薬品、最近、乳酸菌も一人一人の個人に合った乳酸菌が開発されている、それで個人個人の健康を本当に効率的に、そういったものもあるようでございます。

 

 日本は、そういった研究開発の段階で、あらゆるものを一つにまとめるというよりも、あらゆる要素技術を日本が持って、そしてそれぞれの要望する方に合った組み合わせの中で、オーダーメードのそういった製品を提供することによって、高付加価値、また国内の産業、国内の雇用、国内へ人材が集まるような環境ができるのかな、そのように感じておりますので、こんなことも検討していただきながら、海外への生産の移転がないような、そんな取り組みをぜひ戦略的に進めていただければと思います。

 

 そして、ここで、産業だけに目を向けるのではなく、もう一つ大事なことは、医療分野研究開発推進計画の策定のあり方について、やはり難病等の治療方法の研究開発も大変重要だと私は思っております。

 

 難病というのは、とかく患者さんの数が少ないという部分では、産業にそのまま結びつくものではない。ですけれども、私たち、いつ難病になるかわからない、国民にとっては非常に大事な課題であると思います。ただ単に、産業を意識していく、成長戦略だけではなく、そういったところにもしっかりと気を配って研究開発を進めていくべきだと考えますが、その点についての見解をお聞かせ願えますでしょうか。

 

○中垣政府参考人 医療分野の研究開発予算につきましては、平成二十六年度におきましても、機構の設立に先立ちまして、九つの各省連携プロジェクトを立ち上げて、重点化を図っておるところでございます。その中で、難病克服プロジェクトというものを連携プロジェクトの一つとして位置づけておりまして、これは、各省合わせまして九十三億円の予算額を計上しておるところでございます。

 

 閣議で決定いたします健康・医療戦略、あるいはその戦略に基づいて策定する医療分野研究開発推進計画におきましては、先生御指摘の難病等に係る研究の重要性というものを踏まえながら、難病に関する研究開発というものをしっかり位置づけて推進してまいりたいと思っておるところでございます。

 

○輿水委員 ここで大事なこととして、一つだけお願いしたいことがあるんです。

 

 先ほど、戦略を立てる上で、また計画を立てる上で、専門的な知識を持った方の助言と、さまざまな産業界の政策的な助言、と同時に、やはり難病等の当事者の皆さんの意見等もしっかりと踏まえながら、一体何が一番求められているのか、また、どんなことをしっかり進めるべきなのかをしっかり捉えて研究開発すべきだと思うんですけれども、その点につきましての見解をお聞かせ願えますでしょうか。

 

○中垣政府参考人 医療分野研究開発推進計画の策定に当たりましては、患者さんも含めまして、関係各層から幅広い意見を伺った上で立案して、その実施を推進していきたいというふうに思っておるところでございます。

 

 現在、がんあるいは難病等の疾病対策につきましては、厚生労働省におきまして、患者の立場からの意見も伺い、治療、予防、研究開発など、総合的に検討する場が設けられておるというふうに承知いたしております。

 

 私どもといたしましては、こうした場も活用するなど、具体的な仕組みにつきまして、ぜひこれから関係各省と十分連携しながら検討してまいりたいと思っておるところでございます。

 

○輿水委員 ありがとうございます。ぜひ当事者の皆さんの意見も大切に、計画の策定をお願いしたいと思います。

 

 それでは、残された時間で、研究開発成果の国際展開支援について聞かせていただきたいと思います。

 

 例えば、HALのような生体信号を受け取って動くロボットスーツ、これは今、もう国内のいろいろな施設でも活用されている。さらに、ドイツでも保険適用されて、治療等にも使われ出している。

 

 そういった、ある程度技術が確立をして、そして今進んでいるものもあるんですけれども、しかし、私は、確立してそれで終わりではなくて、ここからが勝負だというふうに考えます。ここからどうやってその製品の機能また用途をふやしながら国際展開をしていくのか、そして新しい産業として日本に根づかせていくのか、この取り組みが重要だと思うんですけれども、その点についての見解をお聞かせ願えますでしょうか。

 

○石川政府参考人 お答えさせていただきます。

 

 今御指摘ありましたような新しい医療関係の機器などの国際展開でございますけれども、これにつきましては、政府の方の、昨年六月策定されました健康・医療戦略におきましても、新興国などのニーズに応じまして、新しい医療技術とサービス、それから医療機器のようなものをパッケージ、一体で展開していくというような方針をお示しいただいております。実際に、新興国などにおきましても、医療機器が単体で使われるというよりは、やはりいろいろな医療サービスとの連携の形で使われることが多いというふうに伺っております。

 

 したがいまして、経済産業省といたしましても、関係省庁と連携しながら、医療機関と医療機器メーカーなどが一体となって、日本型の医療サービス、機器を拠点をつくりながら展開していくという取り組みをさせていただいております。

 

 こういった取り組みのために、新興国などで事業性調査などもさせていただいておりまして、既に、成功事例といたしまして、昨年五月にはウラジオストクで日本式の遠隔画像診断センターというものを設立していただいたり、また、昨年十一月に総理がカンボジアを訪問されましたときには、その国初の高度救急救命センターを日本の企業等の資本で設立をするという取り組みをさせていただいております。

 

 こういった方向で、ぜひ政府一体で進めてまいりたいというふうに考えております。

 

○柴山委員長 質疑時間が終了しております。

 

○輿水委員 ありがとうございました。

 

 まさに健康・医療戦略、今言われたように、機器だけではない、サービスとして、全体として、いかに一人一人の健康また長寿に寄与していくのか、そういった視点で今後期待をしてまいりたいと思います。

 

 本日は、まことにありがとうございました。