第186回国会 内閣委員会 第2号

・国民生活の安定及び向上に関する件

・警察に関する件

○柴山委員長 次に、輿水恵一君。

 

○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 

 本日は、質問の機会を与えていただいたことに対しまして、心より感謝を申し上げます。

 

 また、先ほど来、今回の大雪のそういった被害、本当に、お亡くなりになられた方に対しまして心からお悔やみを申し上げるとともに、被災者の皆様にもお見舞いを申し上げる次第でございます。

 

 私も埼玉に住んでおりまして、本当に現場のハウス、施設園芸の皆様、さあ、今から、若手がこれから頑張ろう、そんなときにこの被害ということで、一日も早い再建を心からお祈りし、また、できる限りの支援をしてまいりたい、このように決意をさせていただいているところでございます。

 

 それでは、質問に入らせていただきたいと思います。

 

 初めに、拉致問題対策の取り組みについて伺わせていただきます。

 

 古屋国家公安委員長におかれましては、誰よりも真剣に拉致問題の解決に向け、不撓不屈の取り組みを進められてきたことに対しまして、心より敬意を表するものでございます。

 

 まず、そこで、古屋委員長に、北朝鮮による拉致容疑事件等の捜査、調査の状況、並びに北朝鮮に関する情報収集・分析等の取り組み、所信で述べられましたけれども、その辺の状況につきましてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○古屋国務大臣 まず冒頭に、お答えする前に、今委員から豪雪災害のことについての言及、私も、今、災害の本部長として、この対策徹底、そして、一日でも早く住民の皆さんが普通の生活に戻れるよう今全力を挙げて対応しておることを、まず冒頭に御報告を申し上げたいというふうに思います。

 

 その上で、今御質問ありました北朝鮮の拉致容疑事案についての状況はどうなのかということですけれども、これまで警察は捜査をしてきまして、十三件十九名を北朝鮮による拉致容疑事案と判断をして、このうち八件については十一名の逮捕状の発付を得て、今、国際手配を行ってきているところでございます。

 

 そのほかには、やはり拉致の可能性を排除できない事案がございます。これは、具体的には、私ども八百六十一件ということで数値を出しておりますが、昨年の春先に、私の指示で警察庁の中に特別指導班をつくりました。それは、こういった拉致事案は、基本的には各都道府県警が対応しておりますが、やはり警察庁がしっかりその把握をして、そして、警察庁の専門的な知識、ノウハウをしっかりその都道府県警察が対応してきたことで間違いないのかというようなことも含めて再検証していく。

 

 そして、その流れの一環として、例えば、将来、行方不明者のものとする資料が出てきた場合に本人を特定するというために、DNA鑑定資料の採取を、家族の御同意をいただいた方々にはしているところでございまして、それが、現在で六百十三人の方は家族の方の同意をいただいております。

 

 それから、ウエブサイトに掲載をしまして、御了解をいただいた方が約四百十五人いらっしゃいます。警察庁のウエブにも載せていいといって御了解をいただいたのが四百四人でございまして、基本的に統一フォーマットにして、どこから入っても一覧性があるようにというような、相当ウエブも工夫しまして対応しています。

 

 これによって、数十年前の事案でも実は情報提供がございます。どういう事案でどういう情報提供があったのかは、これはちょっと個別事案に踏み込みますので、そのお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、こういった取り組みを通じて、拉致問題の全面解決に向けてこれからも全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 この拉致問題におきましては、本当に、途絶えたままの政府間協議あるいは六カ国間協議、この再開のめどが立たないような状況でありますけれども、しかし、拉致被害者全員の即時帰国そして真相究明、そのための糸口をしっかりとつかむために全力を尽くしていただければと思います。

 

 ここで、先日、国連人権理事会の国際調査委員会による、北朝鮮の人権侵害行為が人道に対する罪に当たると非難する最終報告が公表されました。この報告では、北朝鮮の日本人を含む外国人の拉致について、一部の特殊部隊の暴走行為ではなく、最高首脳レベルの命令に基づいた犯行と結論づけています。そして、拉致された被害者の所在地など全ての情報を家族と出身国に提供し、生存者は帰国させるべきと迫っております。

 

 このように、国連が特定の国の蛮行について踏み込んだ内容を公表するのは異例であります。拉致被害者家族や脱北者ら数多くの証言によって、北朝鮮の最高首脳ぐるみの人権侵害をつまびらかにした意義は非常に大きいものがあると思います。今こそ、関係国や国連と連携を深め、国際圧力を高める役割を日本が積極的に果たさなければならないと考えます。

 

 当面は、来月に開催予定の国連人権理事会で北朝鮮の人権状況の改善を求める決議が採択されるよう各国に働きかけを強めるべきだ、このように考えております。

 

 そこで、政府の今回の報告書に対する見解並びに拉致問題に対する国際世論の喚起に向けての考えをお伺いいたします。

 

○柴山委員長 古屋委員長。

 

○古屋国務大臣 今、委員長から、古屋委員長という立場でございまして、これは委員長という立場より、むしろ拉致問題担当大臣としてお答えをすることになるんですけれども、そうしますと、本来なら拉致問題の特別委員会で答えることになるんですが、私はこの問題について何年にもわたって取り組んできていますので、ぜひこれは前例としないということで、私の方から、ほかならぬ先生からの御依頼でございますので、質問に答えさせていただきたいというふうに思います。

 

 COI、いわゆる国連調査委員会がああいう形で報告書を出したというのは、本当に私は高く評価したいと思います。その背景には、まず、日本が数年前からこの取り組みを、政府を挙げて、あるいは議員連盟、あるいは我が党、あるいは御党も働きかけをしてきた、こういう成果なんですね。

 

 昨年、カービー委員長を初めCOIのメンバーが来たときにも、総理にも会っていただきましたし、総理にも一時間近く会談をしていただいた。あるいは私も、昼食を挟んで、この拉致問題ということに対して相当詳細に訴えさせていただきました。

 

 最終的に、いわゆる人権侵害という一般的なことではなくて、拉致問題と特化をしてああいう記述になったというのは、私は、恐らく極めて異例だと思います。かつ、やはり金正恩という指導者を名指しで批判している。これは、今委員がおっしゃるように、恐らく例がない、私はそう思います。極めて異例というふうに申し上げておきましょう。

 

 そういうことでございますので、今後、この報告書をいかにフォローアップしていくかということですね。そのためにも、やはり日本が主体的にいろいろな取り組みをして、場合によってはアジアの地域にリエゾンオフィス等をつくって、そしてそのフォローアップをしていく必要があろうかと思います。引き続き、そういう取り組みにしっかり私らも取り組んでいきたいというふうに思っております。

 

 それから、警察という立場でも、これは、こういう形で報告書が出たことは、私は、情報面での国際協力という視点からも極めて意義があるものだというふうに思っております。

 

 最近の情報では、例えば、国連の人権保護機関のトップであるピレイ人権高等弁務官、この高等弁務官が非常に高い評価をしていますし、また、潘基文国連総長も同様に高い評価をしていただいています。一方では、北朝鮮と国交のある国々の中にも、こういう問題があるならば国交断絶をすべきだというようなことを主張している国も出ている。

 

 要するに、世界各国、国連加盟各国がスクラムを組んで北朝鮮に対してそういう圧力をかけているということは、拉致問題解決に対しても大きな前進があるというふうに私は思っておりまして、引き続き、オール・ジャパンで、世界各国と連携をして、この拉致問題解決のために我が政府としても全力で取り組んでいきたいというふうに思っています。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 本当に今までの努力がこういう形で花開いて、またここから、まだまだここからがまた勝負、そんな思いでしっかりと、私も拉致議連の一員でございますので、しっかり取り組ませていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

 続きまして、核兵器廃絶への取り組みについてお伺いを申し上げます。

 

 昨年の内閣委員会で、核兵器廃絶への取り組みについて質問をさせていただき、今ちょっといらっしゃらないんですけれども、菅官房長官より前向きな答弁をいただきました。

 

 本日は、さらに一歩踏み込んで、国家の安全保障と国際平和協力の推進に関して質問をさせていただきたいと思います。

 

 昨年の八月、シリアで化学兵器が使用され、多くの市民が犠牲になったことに対し、国際社会で強い非難が巻き起こりました。このシリアでの事件を受け、国連の安全保障理事会でも、シリアのいかなる主体も、化学兵器を使用、開発、生産、取得、貯蔵、保持もしくは移転してはならないと強く宣言をし、化学兵器を迅速に廃棄することを求める決議を採択いたしました。

 

 化学兵器が現実に使用され、その非人道性が改めて浮き彫りになる中で、誰であろうとも保有も使用も許さないとの原則が安全保障理事会で厳格に示されました。ここで、化学兵器が現実に使用され、その非人道性が改めて浮き彫りになる中で、大量破壊兵器の最たる存在である核兵器に対して、同じ原則が適用されずにいるのはおかしいのではないでしょうか。

 

 憲法の前文にも、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」とあります。核兵器はまさに全ての国民の生存を脅かす最大の脅威であり、国家としても、積極的、機動的に、さらに戦略的に、核兵器廃絶に取り組むべきと考えます。

 

 そこで、核兵器廃絶については、今春、被爆地の広島で開催される核兵器を持たない十二カ国でつくる軍縮・不拡散イニシアチブ外相会合で、例えば核兵器を持たない国に核弾頭を向けることを禁止するなど、世界をリードする提案を行い、核兵器のない世界の構築に向けた取り組みを加速させることも大事かと思いますが、見解を伺います。

 

○岸副大臣 御質問にお答えいたしたいと思います。

 

 今委員のおっしゃられた軍縮・不拡散イニシアチブ、いわゆるNPDIの外相会合でございますけれども、ことし四月十二日に広島で岸田大臣のリードのもとで行われる、こういう予定になっております。

 

 おっしゃるとおり、核兵器の使用の悲惨さというものを最もよく知っております我が国、唯一の被爆国として、核兵器のない世界に向けて国際社会をリードしていくことは、まさに我が国の道義的な責務でもあるわけでございます。

 

 この外相会合におきましては、NPDIのメンバー国の外相が集って核兵器のない世界に向けた政治的意思を発信する、大変いい、貴重な機会でございます。核兵器の非人道性に関する問題も含めまして、参加いたします外相と率直な意見交換、そして会合の直後に行われます、二〇一五年の核兵器不拡散条約、いわゆるNPTの運用検討会議に向けた最後の準備委員会に対するNPDIとしての有益な提案を行ってまいりたい、こういうふうに考えております。

 

 また、被爆地広島におけます市民社会との交流も通じまして、参加各国に核兵器の影響とその実相を直接肌で感じていただく、そして、我が国の核兵器のない世界の実現に向けた思いを積極的に発信してまいりたい、こういうふうに考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 化学兵器をはるかに超える、空間的にも時間的にも閉じ込めておくことができない、そういった核兵器の脅威の排除に向けて、唯一の被爆国としてさらなる取り組みをお願いしたい。

 

 そこで、来年二〇一五年は、広島、長崎に原爆が投下され七十年の節目を迎える、そんな年でございます。この核兵器廃絶の取り組みをさらに加速するために、核兵器廃絶サミット、このようなものも開催をし、世界をリードする、日本の平和国家としてのイニシアチブを本当にしっかりとっていくべきだと考えますが、その点についての見解もお聞かせ願えますでしょうか。

 

○岸副大臣 まさに来年、被爆から、原爆投下から七十年、こういう節目の年でございます。この問題につきましては、まさに外務大臣、岸田大臣も、大変強い思い入れを持って取り組んでおられるわけでございます。

 

 現在、この節目の年に当たって、広島におきまして、国連と広島市の協力のもとで、国連軍縮会議を開催することを今検討中でございます。

 

 この意義でございますけれども、我が国の軍縮に対します積極的な姿勢を国の内外に示していきますとともに、軍縮に関します国際的な議論を活性化するという意味での国際貢献をみずから努めていく、こういう意義がございます。

 

 また、日本の地方都市で開催することによりまして、軍縮に対します関心を国民に広く浸透させる、そして、意識の高揚を図るということにもつながる、こういうふうに考えております。

 

 こうした取り組みを通じまして、我が国として引き続き国際的な核軍縮・不拡散の体制強化に貢献をしていきたい、こういうふうに考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。ぜひ、また積極的な取り組みをよろしくお願い申し上げます。

 

 それでは、続きまして、国家戦略特区の具体的な取り組みにつきまして質問をさせていただきます。

 

 さきの国会で国家戦略特区法案が成立し、国家戦略特区諮問会議も立ち上がりました。世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備するため、三月の区域の指定に向け、スピード感を持って国家戦略特区の推進に向けて取り組みを進められると、所信を新藤大臣より伺いました。

 

 そこで、まず、特区の指定において特に留意している点も含め、進捗状況についてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○新藤国務大臣 これは、今御質問いただきましたように、きょう、これから特区諮問会議を開催いたします。そして、その中で、まず、特区としてどのようなテーマを選ぶべきなのか、それから、どのような区域設定をすべきなのか、こういう議論がきょうも行われます。

 

 それから一方で、御提案いただいた自治体や企業からのヒアリング、こういったものも順次、さらにまた進めております。

 

 そして、今後は各省に対してもヒアリングを行って、地域からの御提案に加えて、国としてそういった特区に参加できる事業があるか、こういったものも各省からのヒアリングを行って、その上で、国、そして地域、民間、これが一体となって新しい我が国の経済の扉を開く、そして世界から経済を引き込む、そして私たちが世界に出ていく、こういう新たな実験場として、また、経済成長戦略のいわばシンボル的なプロジェクトとしてのこの国家戦略特区、これを進めていきたい。

 

 三月中に指定をしたいというのは、総理がそのようにお話をされておりますから、その線に沿って私たちも今作業しているということでございます。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 昨年の審議の中で、ある部分でいうと、これはスタートであると。これからは、この国家戦略特区法というのは、現在のメニューで完成ではなくて、さらに必要なこと、また、やるべきことを随時追加しながら進化していく、そういったものであると私も理解をさせていただいているんです。

 

 まさに今後、新しいメニューの追加や、新たな区域の指定の進め方というんですか、これがやはりここで終わるのではなく、さらにどういったものでどういったやり方でしていくのか、その辺をお聞かせ願いながら、国が全体としてこの国家戦略特区の法案を活用しながら新しいビジネスを生み出せるような機運を高めるべきと考えますが、その点についての考えをお聞かせ願えますでしょうか。

 

○新藤国務大臣 まず、世界一ビジネスのしやすい環境をつくる、このように申し上げておりますけれども、このビジネスという言葉をもう少し広義に捉えていただいて、仕事というふうに考えていただきたいと思うんです。

 

 ですから、まずは先端的に、しかも準備の整っている、そういう集積地に指定される可能性というのはございます。でも、あわせて、それは日本経済を刺激する新たな成長戦略の引っ張り役、こういうふうになるんだとするならば、それは都市に限らない。地域においてもそういった取り組みができるところもあるということであります。

 

 したがって、まず三月中に第一弾を指定しますが、その後にまた第二弾、第三弾、こういうものができるのではないか、このように考えておりますし、第一弾の成果を見ながら、さらに、そういうことであれば私たちも参画したい、こういう方たちも加わってくるのではないか、このように思っているわけであります。

 

 それから、新たな規制というのは、今、場所もテーマも決まらない中で、規制緩和をできるものはないかと、これは極めて精力的なヒアリングの中で、各省との折衝において、今幾つかのメニューをつくりました。今後は、それに加えて、もっと追加で規制緩和の項目を必要なものは入れていこうではないかと。そして、総理は、今後二年間を集中改革期間として、岩盤規制と言われるものについては全てテーブルにのせて、自分のドリルから逃れることはできない、こういうことをダボスで発言されているわけであります。

 

 ですから、私たちはそういうコンセプトにのっとって、最大の問題は、それは、規制緩和は目的ではない、ツールなんです、ですから、何をそこで達成するのか、どんな成果を受け取れるのか、それによって必要な規制はここを破っていこう、こういうふうにやっていかなくてはならないということでございまして、この特区というものを、国家戦略特区を起爆剤に使いたい。

 

 そして、言わずもがなでございますけれども、これは全てを国家戦略特区に指定するものではありません。しかし、今現在で、総合特区制度もありますし、構造改革特区制度もあります。たくさんの御提案があります。特区でなくても規制緩和の項目として取り入れられるものもあるというふうに思っておりますから、せっかくいただいたものは、いろいろなメニューは受けとめて、それぞれに適宜使えるように展開をしていきたい、このように考えているわけであります。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 これはあくまでもツールであるという話の中で、本当に、全国的ないろいろな特区を進めるに当たって、自分たちもこういうことができる、ああいうことができる、提案も出てくると思うんですね。それをまたうまく受けとめて、それを活用できるような、そんな仕組みも明確にしていただきながら、この国家戦略特区が本当に日本の雇用を、また成長を大きく支える、そういった事業となるように期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 

 大変にありがとうございました。