第185回国会 厚生労働委員会 第2号

政府参考人出頭要求に関する件

薬事法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百八十三回国会閣法第七三号)

再生医療等の安全性の確保等に関する法律案(内閣提出、第百八十三回国会閣法第七四号)

持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案(内閣提出第二号)

○後藤委員長 次に、輿水恵一君。

 

○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 

 私も、再生医療等の安全性の確保等に関する法律案、そして薬事法等の一部を改正する法律案について、再生医療を中心に聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

 この再生医療、非常に回復が難しい、そういった難病の治療法として大変大きな期待を持たれているわけでございますが、この医療、人から取り出した細胞に、遺伝子の挿入、あるいは加工、培養等を加えながら、それを人の体に移植をして機能の回復を図っていく、そういったものでございます。現在、大臣の承認のもと、八十四件もの臨床研究が進められていると同時に、自由診療という形で、確認がされないまま、いろいろな形でそういった実施がされている、こういった現状がございます。

 

 今回、この現状に対しまして、全ての再生医療を一種、二種、三種、そういったものに分類して、一つ一つ適切な形でそれを評価、審査して、そして実施に向けていく、そういった改正がなされることになります。このことによって、自由診療等で余り効果が確認されないとか、そういったものに対して、むやみに人体に実行されることなく、管理がされるようになるというふうに考えております。

 

 ここで、この再生医療提供に際しての審査、今回は、認定再生医療等委員会、あるいは特定認定再生医療等委員会、そういったものを設置して、それを審査していくということになると思うんです。実際、具体的に、医療の現場におきましては、現在、臨床研究においては倫理審査委員会というものが各機関にあるんですけれども、今後は、そういった倫理審査委員会が、認定委員会とか特定認定再生医療等委員会、そういったものに発展していくと考えていいのか。そしてまた、その委員会の設置、どのような形で設置をされていくのかについてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○原政府参考人 御質問の再生医療等委員会につきましては、まず、第一種及び第二種再生医療等の医療についての審査をする特定認定再生医療等委員会と、それから第三種の再生医療について審査する認定再生等委員会がございます。

 

 この中で、どちらも第三者を入れるという点では共通でありますけれども、特に、リスクの高いと思われる一種、二種を審査する特定認定再生医療等委員会につきましては、外部委員を複数入れるとか、あるいは専門家についても、一種、二種の再生医療について十分な知見を有する方を入れるとか、そういう形で規定をしようと現在考えております。

 

 全体で、今、倫理委員会と言われているものが恐らく千余りあると思いますけれども、その中でも、特に、特定につきましては、全国で複数ができればいいかなというふうに考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 そして、一種というのは、iPS細胞等を使った、そういった再生医療になると、これは非常に先進的で事例が少ないということで、厚生科学審議会のそういった審査も二重に受けていく、そういうふうになるものと考えておりまして、これも非常に重要な体制を整えているというふうに感じております。

 

 そういった中で、今まで管理されていなかったものを、全て一種、二種、三種という形できちっと管理監督をしながら、具体的に再生医療が臨床研究の形で進められるようになる。そこから、では、実際、臨床研究というところなんですけれども、具体的には、医療機関で細胞を採取して、そしてさまざまな加工、培養を加えて、そして人体の方に移植をしていくということになると思います。

 

 ここで、問題は、医療機関においては、常に新しい再生医療等の研究とかそういったことも進めながらのことになりますので、細胞の加工だとか培養というものを、その機関内で、医療機関の中の機器等を使って進めるというのは、非常に不効率な場合があります。そんな中、臨床研究に入った段階で、その加工、培養をより効率的にというような視点もあるのかどうか。

 

 今回、外部の方に委託できる、企業に委託をできる、そういった体制をこの法案でとられるようになります。ここで重要なことは、その委託された企業が細胞の加工や培養を本当に安全に、正確にできるかどうか、そこが重要になってくると思いますが、その辺はどのように担保されるのかについてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○原政府参考人 御指摘のように、再生医療等に用います細胞につきまして、医療機関内だけではなく、外部の細胞培養加工施設に委託することができる規定を設けているところでございます。

 

 これにつきましては、医療機関内の培養をする設備、施設と、それから外部での加工施設、また、これは薬事法の中でも再生医療等製品がございますので、それらを製造する施設について、共通的な構造設備の問題でありますとか、そういうものを共有化していきたいとは考えております。

 

 具体的には、今後、どういうふうな程度の、例えば清掃や保守の問題であるとか、あるいは清潔を保つとか滅菌をするかとか、そのほかは、特に細胞を加工するに際しての微生物の汚染、これが一番大きな問題ですけれども、こういうようなものについての基準を具体的に今後考えていきたい。先ほど言いましたように、いろいろな施設に共有化できるような形で考えていきたいと考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 今までの質疑の中で、計画を立てて、そして委員会でしっかりと審査をして、そして臨床研究、臨床研究の中で、きちっとした管理のもとでの、外部の企業等の協力を得ながらも、細胞の加工、培養をしながら一つ一つ研究が進められていくということになる、よくわかりました。

 

 そして、その上で、だんだん研究が進んでいきますと、非常に難病を抱えている患者さんなんかもこの再生医療に多くの期待を持っている、それがもっと広く適用されるときを待っている方のために、いよいよ治験という形から広く適用される方向に進むんだと思うんですけれども、何分、この治験というのは、安全性の確認と効果の確認があって初めてその先に進める、そういったものだと思うんです。

 

 再生医療の場合、その安全性と効果を確認する、特に効果の確認というのはなかなか難しい、でも、それを待っていたのでは、いつまでたっても広い範囲の皆さんにこの再生医療を具体的に実施することができない、こういった問題があると思います。

 

 また、そういった中で、今回、薬事法の改正の中で、この臨床研究、治験、そしてその次のステップという形で、いろいろな形で配慮されているというふうに聞いておりますが、その辺の具体的な内容についてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○今別府政府参考人 お答え申し上げます。

 

 再生医療等製品は、人の細胞を加工するというものでございますので、品質が不均一になってしまうという特徴がございます。このため、有効性の確認に時間がかかるということでございます。

 

 今回、私どもの提案は、安全性については従来どおり確認をいたしますけれども、有効性が推定をされた段階で、一定の条件、これは、使われる患者さんにリスクとベネフィットをきちんと説明して同意をとるというようなことをした上で、一定の期限をつけた承認をする、早く承認をするという制度を導入しようと考えております。これによりまして、安全性を確保しつつ、迅速な実用化が図られるものと期待をしております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 今回、そのような形で、安全性はまず確認するのは前提として、有効性というものが推定される、そういう段階での具体的な適用を進められるということで、この再生医療、具体的に現場の中で、これはいよいよここから適用が始まり、さらに推進されるんだな、そういった実感が非常に湧いてまいりました。

 

 そして、先ほどの質問にもあったんですけれども、この再生医療というのは、当然、難病患者の皆さんの期待に応えると同時に、日本の経済の新しい牽引力となっていく、期待される産業でもあります。そういった意味で、文科省も経産省も一体となって、再生医療についてのさまざまな投資をしていくと思います。

 

 そこで、注意しなければいけないこと、経産省は産業的、文科省は基礎研究という形でどんどんやっていきたい。しかし、この再生医療、せっかくここまで来て、体制が整ったのに、安全性の問題で、事故が起こってしまったら大変なことになるし、そこにブレーキがかかってしまう。そういった意味では、厚労省が、その事故をいかに防いで、安全をしっかり担保しながら、着実にこの再生医療の、そういった実行、実施に向けたプロセスを一歩一歩進めていくことが重要になってくるというふうに思います。

 

 そういった意味で、期待を裏切るような事故が起こらないように、一つ一つ、これから具体的な基準だとか中身、こういったものに入ると思うんですけれども、その辺の重要性に対する認識と、同時に、迅速な再生医療の実行によって、世界に先駆けた形でのこういった取り組み。日本発の再生医療が世界の皆さんに使っていただけるような取り組みとしては、どちらかというと、再生医療の安全基準を、特にiPS細胞は日本から生まれたもので、こういった再生医療に対しては、国際基準となるようなものを日本できちっとつくりながら、世界戦略として進めていく、そういった攻めの再生医療が大事だと思っております。

 

 そういった意味で、大臣の、まず、安全をどう守っていくのか、そして、世界基準となるような安全性基準をつくりながらどう攻めていくのか、そういった点についての考えと、また意気込みを聞かせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○田村国務大臣 今委員がおっしゃられましたとおり、再生医療というものは、今まで治療法がなかったような、そういう疾患に対して、非常に希望の光が入ってくるような、そういうすばらしい期待がかかった医療であります。しかし一方で、安全面、倫理面、こういうものをしっかりと我々認識をしながら、これを進めていかなければならないわけであります。

 

 今般提出をさせていただいたこの安全性確保法でありますけれども、これは、そのような意味からいたしますと、今まで基準がなかったところにしっかり基準をつくろうということで、例えば人員面でありますとか、また施設要件でありますとか、さらにはその細胞の入手方法、そして有害事象等々の報告、こういうような基準をつくって、安全面を担保していこうということであります。

 

 また、薬事法改正法案におきましては、製品の審査に当たって、例えば細菌感染でありますとか、また免疫の反応、こういうものも一つの審査の対象、評価の対象にしていこうということであります。

 

 あわせて、製品の市販後、これは全ての方々に登録をいただいて、その上で、治療効果等々、こういうものをしっかりとまず収集していき、そして評価をしていく必要があるということで、これも義務づけさせていただきます。そういう意味からいたしますと、使用した後の事後に対しても、しっかり安全性というものを我々評価していかなければならないというふうに思います。

 

 先ほど申し上げましたけれども、もし何かあったときには、そもそも、再生医療自体が国民の信頼というものを失うわけでございますし、世界に向けてという意味からすれば、そのような先進的な評価や安全を確保していく、こういうような方法を確立することによって、世界に向けて、日本の再生医療は冠たるものだというものを示していく、そういう道のりをこの二法を通じてしっかりと示してまいりたいな、このように思っております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 この二法の推進で、日本の再生医療が安全性をしっかり確保しながら一歩一歩また大きく前進されることを期待しまして、質問を終わらせていただきます。

 

 どうもありがとうございました。