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第186回国会 厚生労働委員会 第25号


専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案(内閣提出第四八号)


○後藤委員長 次に、輿水恵一君。

 

○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 

 本日は、質問の機会を与えていただきまして、心より感謝を申し上げます。私も、きょうは労働行政全般について、広くいろいろな形で聞かせていただきたいと思っております。

 

 そもそも、日本の労働力需要、これは、バブル崩壊後一九九二年あたりをピークに徐々には落ちてきているんですけれども、最近、二〇一〇年あたりからもう平行線で、需要はある程度安定をしている。

 

 一方、生産労働人口なんですけれども、ほぼ一九九〇年代の半ばあたりがピークで、それから徐々に落ちて、最近、団塊の世代の方が退職になってきた二〇一二年、そのときに、ついに労働力の需要と労働力人口のカーブが、人口の方が少なくなってきている、そういう状況になっている。

 

 いわゆる、簡単に言うと人手不足。そういった慢性的、構造的な人手不足に今日本は陥ってきている、このような状況が見えるわけで、今後、さらにその状態が加速をして、人手不足というのが問題になってくるのではないか、このようなことになっているんですけれども、全体、こういった実態に対して、まず、厚生労働省として、どのような認識のもと、どのような対応を考えているのか、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○岡崎政府参考人 今先生から御指摘がありましたように、人口構成上、生産年齢人口は、平成七年の八千七百十七万人をピークに減りつつあります。

 

 そういう中で、最近の雇用情勢につきましては、リーマン・ショック後、やや雇用情勢が緩んでいたということもありまして、直接的には、生産年齢人口が減少することによる人手不足というものが、現象としては出てこなかった時期がございました。

 

 ただ、有効求人倍率も、ここ六カ月間継続して一倍を超える、こういう状況のもとで、景気変動部分の人手需要がふえてきている。こういう中で、やはり将来的に構造的に減っていく部分と、その経済的な循環の部分の中で今人手不足というのが改めて問題になっている、こういう状況だろうというふうに思っています。

 

 経済循環の部分は、その状況に応じて対応するわけでございますが、やはり構造的な部分はしっかりと見据えて対応していくということであります。これに対応するためには、やはり全体としての生産年齢人口が減っていくわけでありますので、若者、女性、高齢者等々、それぞれの方々がその能力を発揮する、いわゆる全員参加型の社会を目指していく、こういう対応が長期的に必要だろうというふうに考えているところでございます。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 まさに、構造的な問題と経済の成長によってますます労働力が不足してくる、このような状況の中で、先ほど来議論にありました、若者、そして高齢者、女性、その労働の現場での活躍が大きく期待をされるという状況であると思います。

 

 そういった中で、それぞれ、育児や介護など家庭の環境、いろいろな状態にある。また、生活のスタイルも個々によって違ってくる。そういった皆様が、この労働の現場の中で、自分に合ったスタイルで、そして、力を十分発揮できるような環境づくりというのが非常にこれから大事になってくるのかな、このように感じているわけでございます。

 

 例えば、フレックスタイム制導入の促進とか、あるいはテレワーク、うまくその辺の新しい労働のスタイルというものを、いろいろ一人一人に合わせた形で研究、検討しながら、今までではなかなかそれが普及しにくい状況もあったかと思うんですけれども、それをさらに普及させるような取り組みがこれからは必要になるのかなと思うんですけれども、その辺の見解をお聞かせ願えますでしょうか。

 

○中野政府参考人 御指摘のありましたフレックスタイム制やテレワークにつきましては、育児や介護等の事情を抱えた労働者が、ワーク・ライフ・バランスを確保しながら働き続けやすくする仕組みとして、四月二十二日の産業競争力会議におきまして、田村大臣から、今後の活用促進に向けた取り組みについて説明したところでございます。

 

 フレックスタイム制につきましては、まず、清算期間の延長など、いつ、どのくらい働くかについての選択肢の拡大、それから、育児、介護の事情がある人については、清算期間における労働時間が枠に達しない場合、清算の際に年休を充てることができる仕組み、それから、完全週休二日制の場合における月の法定労働時間の枠の特例、こういうことなどにつきまして、今後、労働政策審議会で検討していきたい、こういうふうに御説明いたしました。

 

 また、テレワークにつきましては、厚生労働省といたしましては、これまでの取り組みに加えまして、今年度から新たに、自宅のパソコンから会社のネットワークに安全にアクセスする機器等の購入に対する助成の実施、それから、関係省庁と連携しまして、育児等との両立を可能とする具体的なテレワークモデルの構築に向けた実証事業、こういう施策を推進することなどによりまして、その一層の普及促進に努めていきたいと考えております。

 

 厚生労働省といたしましては、労働者の心身の健康やワーク・ライフ・バランスの確保とともに、生産性向上の観点から、フレックスタイム制の見直しやテレワークの普及促進のほか、労働時間法制の全般にわたる検討を昨年来行っておりまして、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 まさに、フレックス、テレワーク、それぞれの検討と同時に、例えばフレックス、そして、子供のお迎えだとかで帰りました、その後テレワークというか、いろいろな形で組み合わせながら、柔軟な形での検討をぜひ進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

 続きまして、今政府では、科学技術イノベーションを基盤として、世界をリードする日本の物づくり産業の育成を目指しているというふうに思います。

 

 ここで、このようなグローバル経済圏で活躍する高度な専門知識を有する人材の育成、確保と、目指しているものはあっても、それに伴う人材をどのような形で確保して育成をしていくのか、ここが重要になるのかなというふうに考えますけれども、この点についての取り組みについてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○杉浦政府参考人 急激に進展するグローバル化の中で、企業は、国外への市場の拡大ですとか、現地生産の強化といった対応をするために、例えば、従業員を海外の企業に派遣して現地プロジェクトに参加させるといったような研修を行っているところでございまして、こうしたグローバル人材の育成や確保に対する支援というのを行っていくことは非常に重要であるというふうに考えておるところでございます。

 

 厚生労働省におきましては、キャリア形成促進助成金という助成金がございまして、その中にグローバル人材育成コースというのを設けておりまして、これで海外関連の業務に従事する労働者を育成するために訓練を実施する中小企業に対しまして、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成してきたところでございます。

 

 さらに、ことし三月から、中小企業に加えまして大企業も助成対象に追加をするとともに、海外で行う訓練も助成対象に拡充するといった改正を行ったところでございまして、こういった施策によるグローバル人材の育成の促進を図ってまいりたいと考えております。

○輿水委員 ありがとうございます。

 さて、ここで、今回、専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案が提出されました。この中で、会社を定年退職された方に対して、有期雇用の無期転換権というものは今回発生しないと。この点については、私も理解はできるんですね。高齢者になって無期というよりは、やはり有期の中で自分の体力とか体調に合わせながら仕事をしていく、そういったあり方はあるのかなというふうに思います。

 その上で、今度は、専門的な高度な知識を有する皆様が有期雇用労働者として働き続けて、今回、五年から十年、無期転換申込権の発生までの期間が長くなったということで、そして、この間、みずから能力の維持向上を図る機会もしっかり付与した上でそういったことを認めましょうということなんです。

 今イノベーションを進められて、専門的な知識を持った方であれば、将来のために、早目に有期から無期、あるいは正社員にしながら、自分の会社で人材を育てていきたい、またさらに、この中で能力を向上させていっていただきたい、雇用者側からはそんな思いもするわけで、実際、具体的にどのような方が、そういった五年を十年にすることによって、仕事が続けられる、また、自分自身の意思も十分通すことができるような働き方になるのかについてお聞かせ願えますでしょうか。

○中野政府参考人 高度専門職の具体的な事例につきましては、例えば、新商品の開発や新興国との販路の開拓のために、企業内で一定の期間に限ったプロジェクトを立ち上げることはあると考えておりまして、こうしたプロジェクトのために雇用される有期契約労働者に該当するケースがあるのではないかと想定しております。

 また、今回の法案策定に当たって実施した企業ヒアリングにおきましては、例えば、一定の期間を要する海外でのプラント建設にかかわる専門家等についてもニーズがあるのではないかという意見も聞いているところでございます。

 こういう方々につきましては、その持つ専門的な高度専門知識でございますが、これは常に経済社会の変化に見合ったものになるようにしていくことが必要でありますので、常にブラッシュアップすることが重要になると考えております。

 こういう観点から、条文上も例示しておりますが、例えば、セミナー等の教育訓練を受けるために、事業主には有給休暇の付与をしていただくとか、あるいはそのための経費を援助するとか、そういう教育訓練を受けやすくするために、始業、終業時刻を変更したり、場合によっては勤務時間の短縮によりまして、そういう自己啓発の機会など、こういうことを雇用管理に関する措置として事業主にとっていただく、こういうことをあわせてこの法体系の中では組み込んでいるところでございます。

 

○輿水委員 ということは、そういったプラントなんかは、五年というよりは十年くらい、ある程度かかってくる、そういった方に対して十年くらいの契約の中でしっかりと仕上げていただく、そういったものを意識した上での今回の延長という形になるというふうに理解したいと思います。ありがとうございます。

 

 そして、先ほど、千七十五万円でしたか、そういった仕切りもあるということで、それなりの能力とかまた人脈を持って仕事をしていく、仕上げていく、そういった方が今回の対象になるということで理解をさせていただきます。ありがとうございます。

 

 その上で、やはり今後、そういった方ばかりが日本にいるわけではなくて、各現場で、確かに高度な知識を持っている方、もうちょっと短期間で結果を出して、さらに次のその企業にとって新しい開発に挑むという、十年ではなくてもうちょっと短期間の中でのサイクルもあると思うんですけれども、そういった方がいつまでも有期雇用であるよりは、より安定した、またモチベーションも高くなるような、しっかりとした正規雇用への転換というのが非常に大事になるのかなというふうに思っております。

 

 そして、まさに先ほども出たんですけれども、キャリアアップ助成金などをしっかりと周知徹底しながら、そういった全ての方が五年以上かかるようなプロジェクトをやっているわけではないと思います。最近、製品等のライフサイクルもどんどん短くなって、開発期間も早く、そして、すぐ次のものを出さなければ、コスト競争になってしまっては日本の産業もなかなかもたないということで短縮されている中で、人材の正規雇用化ということをしながら、しっかりとした育成を企業の中で進められるような、そして、安定した製品開発の道を開いていくことも大事だと思うんですけれども、この点についての見解をお聞かせ願えますでしょうか。

 

○岡崎政府参考人 非正規のいろいろな働き方の方々がふえていくという中で、もちろん非正規の働き方を望んでおられる方もいるわけでありますが、やはり不本意で非正規で働いている方々も相当多いというのは事実であります。

 

 そういう方々をできるだけ安定した雇用、いわゆる正規雇用あるいは無期雇用に転換していくということは非常に重要だというふうに思っておりますし、先生おっしゃいますように、やはり、非正規の方と正規の方を比べますと、企業が行っている能力開発等々でも相当差があるというのも事実でございます。そういった意味におきまして、正規を望んでいる方々についてできるだけ正規雇用にして、能力開発をしていけるようにしていくというのが非常に重要だというふうに思っております。

 

 その過程におきましては、先生からも御指摘がありましたけれども、キャリアアップ助成金につきましては、この三月から助成額をそれぞれ一人当たり十万円増額する等々の改正もしております。

 

 せっかくそういう形で制度を拡充しておりますので、これをしっかり周知して、非正規の方を正規にしていただくという努力を企業にお願いしていきたいというふうに考えております。

 

○輿水委員 ぜひ、そういった取り組みもあわせてお願いをしたいと思います。

 

 そこで、最近、先ほどの構造的、慢性的な労働力不足と同時に、企業も昔は、年々売り上げを伸ばして、社員をふやして、そしていろいろな事業を展開しながら役職とかポジションがふえる、そして、そんな中で終身雇用制の中で人材を活用して大きく成長してきた、そういった時代があったと思うんですけれども、今はどちらかというと、年々売り上げを大きく伸ばして拡大というよりも、いかにその体制を維持していくか。

 

 また、昔のように、長いライフサイクルを持った製品があって、ずっとそれでやり続けられるというよりも、変動が大きい中で企業の活動をされているという中では、なかなか会社で人材の能力開発をしていくといった余裕も、限られた人材の中でもうぎりぎりでやっている。昔は、いろいろ研修へ行ったり、余暇の時間を使っていろいろな人との交流の中で、さまざまな視点を持った多彩な人材を現場の中で育てられたような時代もあったかと思うんですけれども、今、そういった余裕がない。

 

 また、だからといって、全てを正規社員にしても、変動を予測すると、なかなか正規社員にしたときのリスクも高いということで、有期雇用、非正規の方にお願いしている部分もあるのかもしれません。

 

 しかし、日本の一人一人の人材の能力をしっかり高めていく、また、そういった皆さんが新しい時代の流れに乗って、最先端の中で働けるような環境というものもしっかりつくらなければいけない。企業がそういった取り組みがなかなか難しい中で、厚生労働省として、個々の能力の開発、アップのための取り組みも非常に重要なのかなというふうに考えますが、現状の取り組みについてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○杉浦政府参考人 お答えいたします。

 

 サービス産業を初め各種産業の労働生産性を向上するという観点から、労働者の個々の能力アップを促進するということは大変大事なことであると考えております。

 

 厚生労働省としては、みずから能力アップを図ろうとする労働者の方々に対しまして、訓練を受講するために支払った費用の一部について教育訓練給付という形で支給をする制度を設けておりますが、企業に対しましても、従業員の能力アップを支援する事業主に対して、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部について助成をするキャリア形成促進助成金といった制度を設けて支援を行ってきているところでございます。

 

 さらに、中長期的なキャリア形成の支援という観点から、雇用保険法の改正により教育訓練給付を拡充しまして、本年十月から、専門的、実践的な教育訓練として厚労大臣が指定する講座を受講する場合に給付を引き上げるといったような取り組みをすることにしておりまして、こういった取り組みによって、個々の労働者の能力アップについてさらなる支援を行ってまいりたいと考えております。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 とにかく、できるところから個々の生産性を向上させていく、そういった取り組みも着実に進めていただきながら、日本の労働力の需要にしっかり応えられるような体制をつくっていただければと思います。

 

 今は、どちらかというとグローバルな経済圏、そういったものを意識してのお話をしてきたんですけれども、今後、やはりローカルな経済圏、社会の高齢化に伴って、医療や介護の福祉サービス、さらに、交通、物流、飲食や宿泊などの人材、そういった方の不足が非常に懸念されるわけでございますが、この非製造業における多種多様な人材の育成や確保に向けた取り組みの状況についてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○佐藤副大臣 輿水委員の御質問にお答えいたします。

 

 御指摘のとおり、今、足元の雇用情勢を見ましたら、全国的な雇用情勢の改善やそれぞれの分野での労働需要の高まりに伴いまして、特に、それぞれの地域においても、介護や保育、看護といった分野を初めとして一層の人手不足が懸念される状況にあります。

 

 さらに、中長期的に見ましたときに、これはまた厚労省でとりました推計によりましても、二〇二五年には、例えば介護職員というのは、現在の一・五倍以上、今よりも約百万人ぐらい必要とされるんじゃないか、あるいは、看護分野においても、二〇二五年においては、今の一・三倍以上、今よりも五十万人以上必要とされるんじゃないか、そういう推計をしております。

 

 こうした状況を踏まえて、本年二月なんですけれども、私のもとで、人材不足分野等における人材確保・育成対策推進会議というものを省内に設置いたしまして、今言われました人手不足分野に対して、今までは部局ごとにどういう対策を考えるかということをやっていたんですけれども、そうじゃなくて、分野横断的に、また部局横断的に、関係部局が緊密に連携して、省全体として総合的な取り組みの検討を開始しているところでございます。

 

 まだきちっとした結論が出ていないのではっきりとは言えないんですけれども、今後、こうした検討の結果等を踏まえながら、今言われました地方公共団体であるとか、あるいはその分野の産業界等とも連携しつつ、三つぐらいの分野にしっかりとチームをつくって力を入れていこうということを考えております。

 

 一つは、人材不足分野における雇用管理改善。これは、処遇改善も含めたそういう雇用管理改善の促進をして、職場の魅力をしっかり高めていく方策はどういうことができるのか。

 

 二つ目には、潜在有資格者の掘り起こしを初めとしたマッチングの強化。例えば、保育士さんにしても看護師さんにしても、一度家庭に入られた、休まれている方をしっかりと人材として確保して、そして、そういう資格をお持ちの方を次に社会に復帰したいときにしっかりと生かせるような、そこに人をしっかり誘導していく方策、こういうものをしっかりとやりたいというのが二点目。

 

 三点目には、人材育成、能力開発ですね。やはり、個々の能力を高めてさらなるキャリアアップにつなげていくような、そういう好循環の政策というものもしっかりと考えながら、人手不足の分野における各種の人材確保、育成対策を総合的に推進してまいりたいと考えております。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 最初の話に戻るんですけれども、労働力の需要が一定のレベルで、さらに

新しい産業をつくるとそちらにふえる可能性もある。一方、やはり構造的な問題で、労働力の人口は下がっている。

 

 こういった現実の中で、やはり、どちらかというと地方の方が今度は労働力というものの確保が難しくなる。地方の方に行くと、さらに、今、佐藤副大臣おっしゃられました人材不足分野というのはどちらかというと地方に集中してくるという部分では、地方でどうやって労働力をしっかり確保するのか、これはこれから本当に重要な課題でありますし、そういったところで働く皆さんの処遇について、どういった観点できちっと対応していくのか、ここが大きな課題になると思いますし、今後議論をさせていただきたいと思っております。

 

 その上で、本日はせっかく内閣府の大臣官房審議官、木下審議官にいらしていただいておりますので、一点確認という意味でさせていただきたいと思います。

 

 特に、日本の労働力不足を賄うために、今言われた高齢者、女性、若者、当然なんですけれども、思いどおりに動かない場合に、どちらかというと、今建設関係で外国人労働者の話が出てきているんですが、決して私は、外国人労働者をという、そういった推進派ではないんですけれども、もしものときに、外国人労働者の受け入れというものを考えなければならない場合が来るかもしれない。

 

 そういったときに、例えば日本で働くための、言葉や文化の違いへの対応、あるいは地域での教育だとか、あるいは社会保障のあり方等、さまざま課題をしっかりと捉えた上で、どれくらいそれが大変なのか、また、具体的に進めるためには、どのレベルで、どういった形であれば可能性があるのかということも、事前に、やはり未来のためにはある程度はシミュレーションをしておく必要があるのかなというふうに考えるんですけれども、その辺の考えと現状につきましてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○木下政府参考人 委員今御指摘にありましたとおり、これまでも、特に若者ですとかあるいは女性、高齢者、働きたいと思って働けない人がいる、まずは活用していく、それから能力開発を高めていくということは極めて大事だと私は認識しております。

 

 その上に立ちまして、外国人の活用につきまして、四月四日に経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議がございまして、その中で、外国人の扱いについて幾つかの議論がございました。

 

 一つは、高度人材を積極的に受け入れるべきではないのかというのが一つ目。二つ目として、現在、農業ですとか製造業等におきましては技能実習制度でございますので、それについての抜本的な見直しを図るべきではないのか。三つ目として、特に女性の活躍推進ですとか人材の確保という観点も含めて、中長期的な経済成長の観点から、十分な監理のもとで、さらなる外国人材の活用の仕組みを考えたらどうかという点について御議論いただきまして、現在、関係省庁と詰めているところでございます。

 

 今委員御指摘の点でございますけれども、特に日本で永住される外国人の方、在日の方ですとか、あるいは先ほど申し上げました高度人材の方々というのは、場合によっては、配偶者の方あるいはお子様を持ちながら、教育の問題等々についていろいろ課題を抱えながら日本に住んでおられると思います。

 

 こういった方々につきましては、現在でも、今教育の問題等々につきまして支援策等について講じているところでございますけれども、今回議論いただいておりますのは、そういった子弟の学校教育等が必要となるような、日本に、国内にとどまって定住する外国人の受け入れを新たに拡大するということにつきましては政策を検討しているわけではございません。

 

 したがいまして、まずは、高度人材の受け入れの推進あるいは技能実習制度の見直しという点についての検討を中心にいたしまして、労働力不足と、建設労働者は特別に、二〇二〇年のオリンピックまでのところでどういうふうに受け入れるかということにつきまして関係閣僚で議論をし、一定の方向性を出しておりますけれども、それ以外につきましては、中長期的な課題といたしまして慎重に検討を進める。

 

 そういう中で、恐らく、外国人材全体としての受け入れの問題というのは、中長期的な課題の中であれば、教育の問題等々についての議論が進められるものと思っております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 今、労働力の需要に対して労働力人口が非常に減ってきている、また、特に、今度は労働の人材の分野によって、非常に厳しい分野、そして、どちらかというと都市部というよりは地域の、そういったところの人材の確保が非常に難しい、こういった確認がなされました。

 

 また、その点につきましては佐藤副大臣より、積極的に取り組んでいる、そういったお話をいただきまして、この点につきまして、今後の、二〇二五年を見据えながらも、不足している分野、そして地域、そこにしっかり光を当てながら、全力で取り組んでまいりたいと思いますので、今後もよろしくお願いいたします。

 

 きょうはありがとうございました。