193回 総務委員会 14号

○竹内委員長 次に、輿水恵一君。 

 

○輿水委員 おはようございます。公明党の輿水恵一でございます。 

 

 地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案につきまして、質問をさせていただきます。 

 

 地方公共団体情報システム機構、J―LIS、これは、住民基本台帳ネットワークシステムの全国センターの運営やマイナンバー制度関連システムの構築を進めるとともに、地方公共団体の情報システムに関する支援を行う、地方公共団体が共同して運営する組織、地方共同法人であります。 

 

 この地方共同法人であるJ―LISには、財務や業務の方針を決定する機関として、地方公共団体の代表並びに有識者で組織された代表者会議が設置をされております。 

 

 今回の改正では、この地方公共団体を代表する代表者会議と、総務省によるJ―LISの機関処理事務に対する管理監督体制が強化をされるというものであると思います。 

 

 具体的には、J―LISの役員や職員の法令等に反すると思われる行為の是正や処分について、代表者会議の権限が拡大される。 

 

 また、J―LISに対して、その処理事務の実施に関して、機構処理事務管理規程を定めることを義務づけると同時に、その策定や変更に対して、総務大臣の認可等の規定が定められます。さらに、J―LISに対して、機構の処理事務に関する報告書等の作成と公表を義務づけると同時に、総務大臣による監督命令、立入検査、義務や命令に対して不履行等があった場合の処罰等の規定も定められます。 

 

 そこで、質問させていただきますが、今回、このように地方公共団体を代表する代表者会議と、総務省によるJ―LISの機構処理事務に対する管理監督体制を強化するに至った背景、経緯について、お聞かせ願えますでしょうか。 

 

○安田政府参考人 お答えいたします。 

 

 背景、経緯等についてのお尋ねでございますけれども、マイナンバー制度が順次施行されていく中で、今後、J―LISにつきましては、マイナンバーカードの利活用の拡大に伴いまして、その発行事務の円滑、適正な実施が求められること、また、本年秋ごろから本格運用を開始する予定の情報連携におきましても大きな役割を担うことから、これらが適正に運用されるためには、J―LISがマイナンバー法に基づいて行う機構処理事務を適正に実施することが必要不可欠であると認識したところでございます。 

 

 これまでも、J―LISにおきましては、J―LIS自身のガバナンスの強化やトラブルの未然防止のための見直しを行ってきたところでございます。 

 

 まず、組織体制の観点からは、民間出身の技術担当理事を登用する、あるいは情報システムの総合的な企画、評価、点検等を行うシステム統括室を設置するということが行われてきております。 

 

 また、定款の変更も昨年九月に行っているところでございます。 

 

 また、本年四月からは代表者会議によりまして新理事長が任命されまして、経営審議委員会の委員を一名増員するという対応もされたところでございます。 

 

 このようなJ―LIS自身の見直しに加えまして、今回の法改正を行いまして、法制的にもJ―LISのガバナンス強化を図るとともに、マイナンバー法に機構処理事務に関する総務大臣の各種監督権限等を規定することとしたものでございます。 

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。 

 

 適切にJ―LISのガバナンス管理が進められて、安全、安心なそういった運用が進められる、このようなことが確認できたわけでございます。 

 

 ここで、J―LISのデータセンターやサーバーには、もう皆様も御存じのとおり、国民の個人情報や日常を支えるシステムが、今あったように、今後はさらに集中することが想定されるわけでございます。そのサイバーセキュリティーを含む総合的なセキュリティー確保、当然重要になってまいります。 

 

 ここで、内部の不正利用の防止のためには、今日まで、システム操作者に守秘義務を課し、刑罰を加重、また、操作者用ICカードやパスワードにより操作者を限定、追跡調査のためのコンピューターを使用した記録を保存したり、あるいは照会条件の限定など、そういったきっちりとした措置が講じられていると思います。 

 

 また、外部からの侵入を防止するためには、専用回線LGWANの利用、あるいは地方公共団体情報システム機構の管理するファイアウオールやIDS、不正侵入検知システムによる厳重な通信制御もなされている。また、通信相手となるコンピューターとの相互認証を行い、通信を行う際、データを暗号化し、独自の通信プロトコルの使用など、重層的な対策が施されているわけでございます。 

 

 その上で、今回の改正で、「機構処理事務特定個人情報等の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。」とすることという規定が追加されましたが、この中では具体的にどのようなこういった措置というものが想定されるのか、お聞かせ願えますでしょうか。 

 

○安田政府参考人 お答えいたします。 

 

 J―LISは、機構処理事務を実施する中で、御指摘ございましたように、特定個人情報を含むプライバシー性の高い情報を大量に取り扱うことになるために、これらの情報の漏えい等を防止し、適切かつ安全に管理する必要がございます。 

 

 このため、今回の法改正におきまして、機構処理事務特定個人情報等の適正な管理のために必要な措置、これをJ―LISに対して義務づけることといたしまして、具体的には、物理的保護措置として、保管庫の施錠、立ち入り制限、防災設備の整備、技術的保護措置として、ファイアウオールの構築、情報の暗号化、組織的保護措置として、職員に対する教育や研修の実施、セキュリティー責任者の設置等管理体制の整備等といったことを予定しておりまして、今実施していることも含めて、こういうものを予定しているということでございます。 

 

 現在もJ―LISにおきましては、NISCの政府統一基準群あるいは総務大臣の定める告示等に基づきまして、今申し上げましたような措置も含めて、適切に講じられているものでございますが、今回、機構処理事務特定個人情報等の安全確保措置について法律上明確に位置づけることによりまして、適切な情報の管理に資するもの、このように認識しているところでございます。 

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。 

 

 まさに、セキュリティーの管理と同時にJ―LISの業務がますます重要になってくる中で、その業務の継続性、とまらないでしっかりと業務が続けられるような、そういった取り組みも含めてしっかりと進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 

 

 

 そして、今回の改正においてもう一つ、機構処理事務へ、J―LISが住基ネットで保有している本人確認情報の利用を可能とする改正がなされました。この改正によりどのような効果があるのか、具体的にお聞かせ願えますでしょうか。 

 

○安田政府参考人 お答えいたします。 

 

 現在、住民の氏名、住所等に異動があった場合には、市町村が既存住基システムに異動情報を登録することに加えまして、マイナンバーカードの申請に備えまして、J―LISのカード管理システムにも当該情報を登録する必要がありまして、市町村からは事務負担になっているとの声やミスが生ずる原因になっているという指摘もあるところでございます。 

 

 このことを踏まえまして、今回の改正案におきましては、J―LISが通知カードやマイナンバーカード発行事務に本人確認情報、今申し上げました住基ネットで保有している情報のことでございますけれども、これを利用することを可能といたしまして、例えば、マイナンバーカードの発行事務において、J―LISが最新の本人確認情報を確認する工程を追加することによりまして、異動が確認できた場合のみ、異動情報を登録するといった運用も可能になるのではないかということで、市町村の事務作業が必要最小限になると考えられること、それから市町村の事務処理誤りが防止されること、こういった効果が期待できるというふうに考えているところでございます。 

 

○輿水委員 まさに無駄の排除と、それに正確性を増してくるということで、適切に進めていただきたいと思います。 

 

 続きまして、地方公共団体情報システム機構、J―LISの業務、先ほどからありますが、住民基本台帳ネットワークシステムやマイナンバー管理システムの運用に加えて、今後は、マイナンバーカードのICチップ部を活用し、マイナンバーカードに登録されたマイキーIDに、図書館カードID、地域ポイントカードIDなど、さまざまなカードのIDをひもづけるマイキープラットフォームの利用拡大によるマイナンバーカードの多機能化、こんなことも期待されているわけでございます。 

 

 さらに、マイナンバーカードを活用しての公的個人認証、また電子委任状、チケットレス化など、個人番号カードアプリケーション搭載システムの運用拡大など、活用の分野もさらに広がっていくことが想定されるわけでございます。 

 

 また、公共データのオープン化の推進により、行政の透明性の向上や住民サービスの向上が図られるほか、民間事業者によるデータ活用を通じた新たな産業の創出等の効果も期待をされるわけでございます。 

 

 そのほか、さまざまな分野での地方公共団体のICT化の適切な推進のためのサポートなども含め、ますますJ―LISの事業の重要性と必要性が高まってくるものだと思います。 

 

 そこで伺いますが、今後は、J―LISと情報通信研究機構との技術連携なんかも含め、また、マイナンバーカードを活用したサービスがより安全に、より便利に、安定的に国民に提供される環境の構築も必要ではないか。そういった意味では、J―LISの業務のガバナンス強化に加えて、J―LISの機能の充実と強化にも力を入れる必要があるのかと思いますけれども、その辺の支援のあり方、また考え方について、お考えをお聞かせ願えますでしょうか。 

 

○あかま副大臣 お答えいたします。 

 

 今、輿水委員の方から、J―LISとNICTとの技術連携、さらには、安定的に国民に提供される環境を構築するために機能の拡充強化、これについての見解という話がございました。 

 

 御案内のとおり、マイナンバーカードの普及及び利活用に当たっては、J―LISに寄せられる期待、また求められる役割というものは大きいものと認識をしております。 

 

 まず、J―LISがみずからの責任を果たし、マイナンバー制度を効果的かつ確実に推進するためにも、J―LISにおいて、情報システムやセキュリティー等に関し専門的な知識を有する人材の確保、育成が必要であるというふうに思っております。 

 

 現在、J―LISとしても、若手の人材育成に努めているものと承知をしております。その中で、情報通信研究機構との連携として、同機構が実施をしている実践的サイバー防御演習、CYDERでございますけれども、これをJ―LIS職員が受講し、必要な技術の習得を行ったものというふうに伺っております。 

 

 また、マイナンバーカードのICチップに搭載されている公的個人認証機能及び空き領域、いわゆるマイキー部分についてでございますけれども、民間でも利用ができることとなっており、ここにさまざまな可能性があると考えております。 

 

 具体的には、このマイキー部分の公的個人認証機能を利用する民間事業者として、現在、十社に対して総務大臣認定を行っており、認定取得後の実施サービスの展開も進んでおります。さらに、今後の利活用策として、チケットレスサービス、健康保険証としての利用やインターネットバンキングへのログインなどが検討されており、今後、ますますの拡大を期待しておるところでございます。 

 

 J―LISは、このマイナンバーカード普及の鍵であるマイキー部分の基盤となるシステムの運営を担っていることから、その体制や機能の充実等が図られることが期待されており、総務省としても連携して取り組んでまいりたいと考えております。 

 

 以上です。 

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。 

 

 もう今さまざまな取り組みが進められ、また強化をされるということで、J―LISは、今後、それ以外にも、地方公共団体が共通的に利用できる情報システムの研究開発、新技術の導入の支援もJ―LISが行うということとか、あとは、それらのシステムを導入した運用管理の課題に対する支援、さらには災害に強い地方公共団体の情報システムのあり方と、さまざまな支援、地方公共団体に対する支援がこのJ―LISからさまざま進められる。また、地方公共団体にも、情報システムに関する人材がなかなかいないところに対しても、J―LISがしっかりとサポートすることによって、適切にそういった情報化が進められる、そういったことが期待されるわけでございます。 

 

 今、あかま副大臣からさまざまありましたように、J―LIS、今後さまざまな点で、その機能の安定、安全、そして国民の利便性の向上に大きく寄与する事業がここで展開されるわけでございますので、さらなる機構のガバナンスの強化と同時に、機能の拡充、また人材の拡充についても御支援を願えればと思いますので、よろしくお願いいたします。 

 

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。