厚生労働関係の基本施策に関する件(危険ドラッグ対策)
○上川委員長 次に、輿水恵一君。
○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。
本日は、質問の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
また、参考人の先生方からは、先ほど来、貴重な御意見を賜り、お忙しい中を本当にありがとうございます。
それでは、早速ですが、質問をさせていただきます。
まず、飯泉参考人、先ほど、使わせない環境づくり、使わない人づくり、まさにこれが一番大事かなと私も思います。その中で、やはり国としてやるべきことも当然ありますが、知事が本当にこの危険ドラッグに対して深い認識と、また、それと徹底して戦っていこう、こんな姿勢の中で、先ほどの広域連合の提言にも、「その「真の危険性」を強く訴える「効果的な啓発」」というふうにありますけれども、現場サイドではどのようなことをなされているのか、その点についてまずお聞かせ願えますでしょうか。
○飯泉参考人 やはり、今回、これを興味本位に使うという傾向は若い世代の皆さん方に多いということで、若い世代の皆様方にその危険性をどう伝えるか。一時期は脱法ハーブとか、ハーブみたいな名前になるものですから、何かおしゃれみたいな感じで興味本位で使ってしまう。そうした意味で、テレビ、ラジオ、こうしたものはもとより、先ほど御紹介をしたのは和歌山県の例であるわけでありますが、若い人たちがあえて演劇の登場人物となって、若い人たちを対象にして、わかりやすく、そして本当に危険であるといったことを示していくということが肝要かと思います。
また、我々として今後考えていかなければならないのは、若い皆さん方ということ、またインターネットでの販売ということを考えますと、今は、フェイスブックを初めとして、ツイッターなどのいわゆるSNS、こうしたものの中に、動画で、もしこの危険ドラッグを使った場合どういうことになるのか、まずは本人に対しての危険性をしっかりと周知するとともに、先ほどテロと申し上げた点でありますが、自分は意識はないんだと必ず言うんですね。しかし、そうではない、それをやったことによって、無意識で車を運転して、そして罪のない多くの命を失わせてしまうんだ、これをどう償うんだ、こうした点についてもしっかりと訴えかけていく必要がある、このように考えております。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
まさに、これは全ての、あらゆる機関が協力をしてやるべきことかな、このように感じております。
そこで、飯泉参考人の徳島県なんですけれども、先ほど来ありましたが、乱用の防止に関する条例を制定されております。その中で、知事指定薬物、これを指定されているんですけれども、先ほど和田参考人からもるるお話がありましたが、世界的にも、薬物の同定、いわゆる化学物質、化学構造式の特定をしっかりやっていくことが必要だということで先ほど来繰り返されているんですけれども、この知事指定薬物の点については、その点が行われているのかどうなのかについてお聞かせ願えますでしょうか。
○飯泉参考人 おっしゃるとおりです。徳島の場合、あるいは大阪、和歌山、これも同様でありますが、特定の薬物を指定して、そしてそれを知事指定薬物とさせていただいております。
ただ、必ずその後に、そうしたものから、今度は薬事法に基づいて国の方で指定をするという形になりますので、まずは県で指定をして、そしてその後、国の方がさらに指定をして、そうなりますと、今度は知事指定薬物というものがなくなるという形になります。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
ということは、まず知事指定薬物が初めにあって、どちらかというと国が後追い、そういったケースもあるのかなということで、先ほど来、検査機器が非常に高価でなかなかそろえられない、また、各地域で持つのもなかなか難しいのではないか。そんな中で、どうやってその辺の工夫をされて、その指定をスピーディーに進められているのかについてお聞かせ願えますでしょうか。
○飯泉参考人 この点につきましては、もう一点、検査機器の前に、先ほど和田参考人の方からもお話のありました標準品、これをしっかりと持つ必要があります。ただ、これが大変なんですね。
ということで、こうしたものについて、関西広域連合におきましては、お互いでその情報を持ち合う、そして検査機器についても、現段階では全てが持っているわけではありませんので、これについてしっかりと、特に大阪が最初に条例をつくったということで、大阪府の公衆衛生研究所の方、ここにまずは頼っていくという形をとり、その後、当然のことながら、条例をつくったところが順次導入をしていく。
しかし、先ほども申し上げましたように、なかなか高価なものでありますので、ここにつきましては、これから条例をつくっていこうという動きがたくさん今全国で出ております、そうしたところも条例を二の足を踏まないように、そうした検査機器あるいは標準体についての導入を、これは国の財政支援をぜひいただきたいと思います。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
まさに、国に任せるのではなくて、各地域で持っているものを最大限に活用し、かつ連携をとりながら、その情報を共有してスピーディーな特定を図っていこう、こんな取り組みがなされているということで、よくわかりました。ありがとうございます。
そのような中で、一点確認をさせていただきたいんですけれども、和田参考人に伺います。
先ほど来、合成カンナビノイド検出用の細胞の生成等、そういったやり方で、簡易的な取り組みをやることによって水際でしっかり防げると。どちらかというと、この危険ドラッグにしても、まだ海外から流入するという危険性が非常にあるわけでございます。
そういったことも踏まえて、今後、これはただ単に日本だけの問題ではなくて、国際社会の中できちっと、例えば合成カンナビノイド検出用の細胞等も、協力をして開発して全体的に防いでいく、そんな取り組みも必要なのではないかと思うんですけれども、この辺についてのお考えをお聞かせ願えますでしょうか。
○和田参考人 私は、各国の生涯経験率も紹介しましたが、この薬物問題は、ただ単に一国だけでは絶対に終わらない問題です。ということで、まさに御質問いただきましたが、これは全ての国で共有していく、日本からそれこそ発信していく、そういうことにできれば、日本としてもこれは誇れるのではなかろうか。
と同時に、この問題は、薬物問題は、基本的には国連できちんと全体で話をするシステムが一応できております。ですから、これは担当課の方で、恐らく厚生労働省の方できちんと対応していくべき話かなと思っております。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
まさに日本は、一番薬物に汚染されていない国としてそのリーダーシップをとっていただく、そんな方向で全力を尽くしていけると私も思います。
ここで一点、皆様に確認をさせていただきたいんですけれども、この危険ドラッグ、もう早急に対策を打たなきゃいけない、そんな中で、厚生労働省が先般、疑いのある薬物に対する検査命令、さらに、検査の結果が出るまでの間の販売停止命令を活用して、一つ一つその問題に具体的に動いたことは御存じだと思いますけれども、この内容につきましての皆様方の評価というか見解を、お一人お一人お聞かせ願えますでしょうか。
○和田参考人 私は、その取り組みは非常に重要だと思います。さらにまた、各自治体が考えられているいろいろな対策も本当に重要だと思っています。
ただし、私が思うには、あらゆる手を使って、あらゆる知恵を出し合って、とりあえずは差しとめる、あるいは、何とか、本鑑定といいましょうか、私が言っている薬物の検出、同定、この流れに持ち込むためにいかにその時間的ゆとりをつくるか、結局そういう気がします。最終的には、法となってくると、本質的な、正当の検出過程を経ずして法で云々ということは非常にやはり難しいんじゃないかと思います。
それをうまくやるために、制度を、そこをきちんと整える。先ほど私が言わせていただいたのは、そういう国家機関をつくる、これが一番目標ですけれども、だめならば、全国の自治体あるいは国、大学、そういうものの専門家の連合体を組織するとか、何としてでも検出体制の強化ということをやっていただきたい。それに時間的余裕を与えるために、あらゆる知恵を出して、差しとめを含めてやっていく、そういう考え方かと思います。
○飯泉参考人 まず、国のこのたびの動きについてでありますが、まず緊急指定、これによって審議会にかけない、これによって三、四カ月短くすることができる。またさらには、今度はパブリックコメントも外して、そして対応していこう、こうした速やかな対応については大変評価をしているところであります。
しかし、今、和田参考人からもお話がありましたように、それであったとしても、イタチごっこには変わりがないところであります。恐らく、これからどんどん各道府県がこうした条例で独自に規制をしていく、これはもうやむにやまれぬ対応なんだということをぜひ御理解いただきたいと思います。
やはり、我々都道府県あるいは市町村というのは、住民の皆さんに直接対応をする立場にありますので、例えば運転免許、こうした点について、車を運転してしまって、そして多くの命が失われる、そうした声は直接我々のところに届くところであります。
ぜひ、このイタチごっこ、これを断ち切るためにも、国としてやはり一律の法律をしっかりと整えていただきたい、このように考えております。
○秋元参考人 ダルクのメンバーに関しましては、危険ドラッグを使うに当たって、やはり法律に触れないということが大きな理由であるということを申し上げましたが、それ以上に、彼らにお話を聞くと、手軽に手に入れられて、そして値段もそれほど、ほかの違法薬物ほど高くないという現状、それがやはり自分たちが使用に走ってしまう一番大きな原因だというふうによく皆さん申しております。
ですので、そういう意味では、早急な規制であったり店舗のせん滅であったりということは非常に効果を示しているのかな、手軽に入らないという意味で効果を示しているのではないかなというふうに思います。
あとは、やはりインターネットのそういう市場ですよね。いろいろ手をかえ品をかえネットの現場では売っておられると思うので、今はもう、例えばハーブ屋さんとか危険ドラッグということを銘打って売っているサイトなんかは余りないと思うんですね。普通に雑貨屋というような店舗があって、その雑貨屋で何か靴を買うとかコップを買うとか、それが、買うと実はハーブだったりするというような現状があって。
ネットというのは本当にお金さえ振り込めば宅配されてくるというところですから、その辺も、そういうような規制の対象というか、そういう店舗がなくなっていくということも非常に重要であるかなというふうに思います。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
では、最後になると思いますけれども、和田先生、地域の体制の強化、復帰の体制の強化が必要だということでお話がございました。その中で、ワークブックを使用した認知行動療法の実施のお話がありましたが、実際、適切にこのワークブックを利用した認知行動療法を進められる人材というのは日本にどれぐらいいるのか、また、今後どのような形で配置される可能性があるのかについてお聞かせ願えますでしょうか。
○和田参考人 これは、ワークブックを使った認知行動療法を開発しながら、私たちは同時に、我々主催の、全国の、これは医師でも結構です、あるいは精神保健福祉士でも結構です、心理職の方でも結構です、あるいは看護師の方でも結構です、何らかの意味で医療にかかわっている方々、国家資格あるなしにかかわらず、かかわっている方々に対して研修会をやってきました。
これで数年間やっておりますから、毎回五、六十人は最低でも来ますから、掛ける七、八年、まだそこまでいきませんか、五年くらいですね、そのくらいの人数は既に一応これを少し理屈の上ではわかっている方々。あとは、実際にやっている現場で参加して、時々自分がそれを進める係になりながら実践を積んでいけばできると思います。ですから、二、三百は現在いるという計算です。今後も我々はこれを続けていきます。ということで、どんどんそういう方々をふやすことは可能です。
しかも、これは、ついつい、こういうものは何か医師とか心理職だけという先入観があるかもわかりませんが、そんな必要は全くありません。どなたでも、実は、このワークブックを実際に読むことによって、医療職、医療に絡んでいる方であれば誰でもできるようになります。そういう意味での便利さがあります。
ですから、人的には全然心配しておりません。
○輿水委員 大変にありがとうございました。
以上で質問を終わらせていただきます。
○上川委員長 次に、輿水恵一君。
○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。
午前中に引き続きまして質問の機会を与えていただきまして、心より感謝を申し上げます。
きょうの午前の参考人質疑の中で、危険ドラッグの蔓延防止等に対してのさまざまな貴重な御意見をいただきました。私は、本日、この危険ドラッグの実態の再確認と蔓延防止の対策、この点について質問をさせていただきたいと思います。
まず、そもそもこの危険ドラッグ、既に規制されている麻薬や覚醒剤などの指定薬物の化学構造を一部変えた物質を含んでいる。さらに、体への影響は、麻薬や覚醒剤と変わらないどころか、さまざまな不純物を含んで、そして、その危険性というのは非常に高いと言われております。
この危険ドラッグの体への影響について、まず、具体的にどのような事態に陥るのか、また、危険な状態に陥った場合どのような対処がなされるのか、さらに、副作用としてどのような症状が身体にあらわれるのか、その点について改めて確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕
○神田政府参考人 危険ドラッグは、脳内での神経伝達を阻害し、その結果、急性症状として、例えば合成カンナビノイド系とされる物質では、色の異常や物がゆがんで見えるといった知覚変化や、突然動悸や発汗が起こるパニック発作などがございます。また、カチノン系とされる物質では、幻覚や妄想などが、そのほかに呼吸困難などが起きることもあり、場合によっては死に至るおそれもございます。
さらに、脳内での作用のほかに、全身作用として、横紋筋融解症と言われる筋肉細胞の破壊ですとか、破壊された筋肉から流出した成分によります急性腎不全などが起きることもございます。
薬物乱用を続けますと、知覚変化が生じたり、幻覚などで得られた多幸感を求めまして、薬物を摂取したいという依存が形成されます。さらに乱用が続きますと、幻覚、妄想等が持続するなど慢性中毒に至ることがございます。
さらに、危険ドラッグにつきましては、先ほど御指摘のように、何が含まれているかわかりませんので、現在知られていない新たな有害作用が発現するおそれもございます。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
今聞くだけでぞっとするような、そういった危険なものであるということが確認されたわけでございますが、このように人体に多大な障害をもたらすこの危険ドラッグは、現在、インターネットや店頭販売等で意外と簡単に国民の手に入ってしまう、そういった状況にございます。
最近、この危険ドラッグに起因する事件や事故が多発している。ここで疑問に思うことは、こんなに危険なものなのに、なぜ安易に購入し使用してしまうのか。ここに大きな問題があると思います。
この点について、厚生労働省におきましてはどのような分析がなされているのか。また、最近中学生にも広まりつつあると言われているこの危険ドラッグの蔓延の実態等も、あわせてお聞かせ願えますでしょうか。
○神田政府参考人 蔓延の実態についてでございますけれども、危険ドラッグの使用実態につきましては、二〇一三年十月現在で、五千人を対象に調査をいたしましたところ、三千名弱の有効回答を得た調査の結果では、危険ドラッグを使用したことのある方の割合というのが〇・四%、推計いたしますと約四十万人ということになってございます。また、危険ドラッグを使用したことのある者の平均年齢は三十三・八歳と、ほかの薬物と比較して若いという結果が出てございます。
また、中学生の使用実態について、二〇一二年の十月から十二月現在、危険ドラッグを使用したことがあると回答した中学生の割合は〇・二%という調査結果がございます。
なぜ蔓延するんだろうかということでございますけれども、いろいろなところで売っているということで、一般の店舗でも売っております。それから、カフェですとかネット等の形態でも売られているということもございますし、三千円から六千円程度ということで比較的安価ということもあって、比較的入手しやすいということから、そのような広がりを見せているものというふうに考えております。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
ただいまございましたように、危険ドラッグ、非常に危険な、そういったものであると同時に、意外と手に入りやすい状況にある。まずは、こういったことをいかにより多くの世間の皆様に、また学生も含めて知らせていくのか、その情報を共有していくのか。このことにつきましては、厚生労働省だけではなく文部科学省も含めて徹底的に進めていただきたい、このように思っている次第でございます。
そこで、この危険ドラッグ、ただいま御説明していただいたとおり、大変に危険だ、このまま放置しておくわけにはいかない。午前中の参考人からもありましたけれども、使わない人をつくる、また使わせない環境をつくる、そういったことも非常に重要かと思います。
この危険ドラッグが簡単に手に入らないように、至急対策が必要である。そのために、国はどのようなことをまず進めたのか、また今後どのようにしようとしているのか、その点についてまずお聞かせ願えますでしょうか。
○橋本大臣政務官 お答えいたします。
危険ドラッグにつきましては、深刻な社会問題であるとの認識から、政府は本年七月に緊急対策を策定いたしまして、関係省庁一丸となって取り組みを進めてきておるところでございます。
厚生労働省といたしましては、その後、約二カ月の間に、指定薬物の迅速な指定、これは毎月、七月には二物質、八月に二十一物質、九月には十四物質、こう矢継ぎ早に指定をしているということ。それから、指定薬物の疑いのある物品に対する取り締まりの徹底、これは薬事法第七十六条の六という項目がございまして、それに基づき検査命令及び販売停止命令をかけるということ。それから、指定直前の薬物のインターネットサイトの削除要請等に積極的に取り組んでまいっております。
特に、検査命令、販売停止命令につきましては、その発動によりまして、昨年度末で二百十五あった店舗の約三分の二、百三十七店舗を廃業、休業に追い込むなど、相当の成果を上げているものと考えております。
ただ、まだ残っているといえば残っておりますので、危険ドラッグを容易に入手することができないような状況を一日も早く実現するように、取り締まりあるいは販売サイトの削除要請等に全力で取り組んでまいりまして、安全な社会を取り戻していきたい、このように思っております。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
さて、ここで、危険ドラッグの乱用者や販売機関の取り締まり状況について、この四月より、薬事法の改正により、指定薬物の販売者に対する規制に加え、個人の単純所持や使用等への規制が追加をされました。この改正を受けてのここ最近の摘発の状況についてお聞かせ願えますでしょうか。当局。
○樹下政府参考人 危険ドラッグに係る検挙状況についてでありますけれども、平成二十六年上半期におきまして、百二十八事件、百四十五人を検挙しております。
その後、検挙事件数、人員ともに大幅に増加いたしまして、本年九月末現在で、三百五十九事件、四百六人に上っているところでございます。そのうち、ことしの四月の改正薬事法の施行によりまして新たに規制の対象となりました指定薬物の単純所持、使用等で検挙した乱用者は、百三十五人でございます。
今後とも、危険ドラッグの乱用の根絶を図るため、関係機関とも連携をし、各種法令を駆使した取り締まりの強化や、危険ドラッグの危険性について啓発を強化するなど、政府の緊急対策に掲げられた施策を的確に推進してまいりたいと考えております。
○輿水委員 大分大きな成果というか、この摘発が多いことがいいのか悪いのかわからないんですけれども、しっかりと進めていただいて、そういった蔓延する環境を何としても食いとめるような、そんな取り組みをぜひお願いいたします。
インターネット販売についての対応についても確認をさせていただきたいと思います。
インターネット販売の摘発におきましては、インターネット・ホットラインセンターにて、一般のインターネット利用者等から違法情報や有害情報に関する通報を受理し、警察への通報やサイト管理者等への削除依頼を行っていると伺っております。
ここで、危険ドラッグはその対象になっていない、こんな現実があるわけでございますが、政府の緊急対策において、通報等の対象情報の範囲を見直し、危険ドラッグに関する情報についてもインターネット・ホットラインセンターで取り扱う検討を進められていると伺いましたが、その状況についてお聞かせ願えますでしょうか。
〔とかしき委員長代理退席、高鳥委員長代理着席〕
○橋本大臣政務官 お尋ねのございましたインターネットの対策につきましては、本年八月以降、指定薬物の指定から施行までの間、プロバイダー等に対して販売サイトの削除を要請しております。これは先ほど申し上げたとおりです。
これは、要は、指定をして施行されるまで、十日間ぐらいの周知期間がございます。その期間中、あと数日で売れなくなるのでといってバーゲンセールを始めるという、これはある意味では悪質なサイト、そうしたものについて特にしておりますが、国内サイト八十三のうち六十二、そして国外サイト四十五のうち三十六を閉鎖または危険ドラッグの販売停止に追い込んでいるということをしております。
そして、御指摘がございましたように、インターネット・ホットラインセンターのガイドラインに、違法情報または有害情報というところに指定薬物あるいは無承認医薬品を位置づけ、警察の捜査に結びつけるようにすること。そして、民間通信四団体が策定するガイドライン、契約約款モデル条項におきまして、プロバイダーが予告なく危険ドラッグの販売サイトを削除等できることを明確化すること。今月中にはそのようなことを実施いたしまして、販売サイトの閉鎖あるいは摘発等を積極的に進めていく、あるいは、その進めるためのモデル約款を、要するに、そのようにしていただければ民民のことで話ができるということになるわけですから、そうした対策を進めていくということでございます。
先ほど来申し上げておりますが、ネットでも容易に買うことができないように、政府としても厚生労働省といたしましても、引き続き全力で取り組んでまいる所存でございます。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
この危険ドラッグについては、今御説明ありました、さまざま、先ほどの質問の中にもありましたが、検査命令や販売停止命令を効果的また効率的に活用しての取り組み、あるいは取り締まりの強化、今後もぜひしっかりと進めていただきたいと思いますし、できる限り効果的に働くように、また効率的に動くような、そんな検討もぜひお願いをしたい、このようにお願いいたします。
そのような中で、先ほど、和田参考人、国際社会の中において日本のドラッグの汚染というのは非常に低い状況にある。逆に、低いということはドラッグ等に対しての免疫力が弱い、そういった状況にあるのかもしれません。そういった中で、国際的な協力をもとに、日本だけの対策ではなく、全体と、いろいろな国々と連携をしながら、この危険ドラッグというものに対して認識を共有し、これをどう抑え込んでいくのか、そういったことも必要かと考えるわけでございます。
日本が、ドラッグ、今低い状態に抑えられている。そういった国が率先して、国連にも機関があると先ほどの参考人からもございましたが、そういったところと連携をとりながら、リーダーシップをとって、国際機関、世界全体でこの危険ドラッグの撲滅に、日本が先頭に立って進めていくべきではないか、このように感じるわけでございますけれども、当局の見解また思い等をお聞かせ願えますでしょうか。
○橋本大臣政務官 先ほど来申し上げておりますように、政府そして厚生労働省といたしまして、この危険ドラッグの対策をまずは一生懸命進めるということに取り組んでいるところでございます。
より効果的、効率的にということもございますけれども、私たちとしても、そうしたことは常に頭に置いておりますし、現在、野党から法案を提出していただいておりますから、これは国会においてあるいは与野党間での協議等があろうと思いますけれども、その協議もきちんと注視をさせていただいていきたい、このように思っておりますし、実際、それが調いましたらば、それを施行する責任を負うということにもなりますので、求められれば必要な対応を行っていきたいと思っております。
そして、今、国際的な問題というお話をいただいております。
各国でも問題となっておりますので、国際的な取り組みが有効かつ必要であろうというふうにも思っております。
我が国といたしましては、国連麻薬委員会、CND、あるいは国連が主催する国際会議、国連薬物犯罪事務所、UNODCが行っております各国の取り締まり情報等の集約、分析、発信の取り組みに参加をし、国際社会と連携して危険ドラッグの問題にはしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えております。
○輿水委員 ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、最後の質問で、やはり最終的には、この危険ドラッグ、一人一人が自覚と責任の中でしっかりとこれを使用しないような、そういった社会を築いていくことが大事ではないかというふうに思うわけでございますが、危険ドラッグに対する情報の提供、またその情報の共有等について、今までどのようなことが進められ、今後どのように進めていくのか、確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕
○神田政府参考人 危険ドラッグの危険性等についてでございますけれども、まず、名称につきましては、従前、脱法ドラッグという呼び方で、危険性が伝わらなく、乱用を誘発する可能性があるということから、警察庁と協力いたしまして新しい呼称を募集いたしまして、七月二十二日に、規制の有無を問わず使用することが危ない物質であるということを明確に示す危険ドラッグという呼称を選定したところでございます。
また、厚生労働省としては、若い世代を中心にその危険性を国民に認識していただくために、青少年向けのリーフレット、ポスターの配布でありますとか、あるいは小中高校などに、あるいは地域のイベントに専門家が訪問いたしまして啓発活動を行うこと、ツイッター、フェイスブックを活用した情報発信などの啓発活動に取り組んできているところでございます。
今後とも、平成二十六年四月から指定薬物の単純所持、使用だけでも罰せられることになりました、また新しい名称に変更したことを踏まえまして、何が含まれているかわからないという危険性、それから、積極的に指定薬物に指定しておりますので、持っているだけで犯罪になる可能性が高いんだということを国民の方々に御理解いただき、危険ドラッグに絶対手を出さないということをしっかりとアピールできるように、より訴求性の高い広報に努めてまいりたいというふうに考えております。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
以上で質問を終わります。