第186回国会 内閣委員会 第9号

・健康・医療戦略推進法案(内閣提出第二一号)

・独立行政法人日本医療研究開発機構法案(内閣提出第二二号)

○柴山委員長 次に、輿水恵一君。

 

○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 

 それでは、豊田委員に引き続きまして、私の方からも、今回の健康・医療戦略推進本部、さらに機構の機能と、また今後の役割について御質問をさせていただきたいと思います。

 

 日本はいよいよ超高齢化社会に突入をしていく、そういった中にあって、健康あるいは医療、この技術の研究開発は大変重要であると同時に、これから新しいサービスや商品を生み出さなければ成長はあり得ない。その新しい産業を生み出すという意味でも、この医療・健康の分野は大変重要であるというふうに考えているところでございます。まさに、そこにあって、今回の機構また体制の整備というのは本当に大事であると私も認識をしているところでございます。

 

 一方、医療とか研究開発については今までも当然やって、早くいいものをつくりたいというのは誰もが思っていたところであると思います。

 

 そんな中で、日本は、よく言われるのが、技術で勝ってビジネスで負けてしまっている。去年の一般質問のときにアイフォンを出させていただいて、アイフォンの中のほとんどの部品が技術は日本だ、でも、それをまとめ上げて、製品、システムとして仕上げたのがアメリカで、そういったビジネスという部分の新しい体制というか、司令塔を持ってそういった技術をビジネスにしっかりつなげていく、そういった中で、今回の体制というのは非常に期待ができると思っております。

 

 しかし、体制が整っただけでは、やはり中身、いかに技術を早く育て、そして実用化をしていくのか、ここが重要になってくるわけでございます。

 

 そして、まず大事になってくるのが、やはり、どのような戦略で、どのような計画を立てていくのか。

 

 この健康・医療戦略推進本部の中にあって、まずその戦略や計画を立てるために専門的、技術的な助言をする、そういった専門調査会、そして政策的な助言、いわゆる産業界、医療関係の機関等から成る、そういった助言をいただきながらその戦略あるいは計画が立てられると思うんですけれども、具体的に、今後、健康・医療に対しての戦略、あるいは医療研究開発の推進のための計画、どのような計画がつくられようとしているのか、教えていただけますでしょうか。

 

    〔委員長退席、関委員長代理着席〕

 

○中垣政府参考人 ただいまお尋ねの健康・医療戦略と医療分野研究開発計画の中身でございます。

 

 健康・医療戦略につきましては、総合的かつ長期的に講ずべき健康・医療に関する先端的研究開発及び新産業創出に関する施策の大綱でございまして、加えまして、健康・医療に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項を定めるとされておりまして、健康・医療戦略推進本部で案をつくり、閣議によって決定することといたしております。

 

 一方、医療分野研究開発推進計画につきましては、その健康・医療戦略に即しまして、政府が講ずべき医療分野の研究開発とその環境の整備、成果の普及に関する施策についての基本的な方針とともに、政府が集中的かつ計画的に講ずべき施策などを定めることとしておるところでございます。

 

 具体的には、再生医療やがんといった重点的、戦略的に推進すべき領域について定めるほか、各府省間の連携のあり方でありますとか、民間等における自主的な取り組みとの連携、推進計画とPDCAサイクルの考え方といったものを定める予定といたしております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 まさに、そういった総合的、戦略的な計画と同時に、今、例えば、二〇二五年、七十五歳以上の高齢者の方が二千万人を超える、そういった、あと十年という限られた期間の中で、どうやって具体的な目標を持ってスピーディーに新しい製品等を生み出すか、サービス等を生み出すか、こういったことも大事であると思います。

 

 まさに、また成長戦略という部分においても、長年の研究開発また中長期的な展望も大事ですけれども、今ある技術また持てるものをいかに組み合わせて新たな産業を生み出していくのか、こういったことも非常に重要であると考えるわけでございます。

 

 そういった意味では、この中枢機能というか推進本部が、もうちょっとシャープな具体的な目標と期間も定めて、これを達成することによってどういう世の中、どういう日本にしていくのか、どういった産業をどういう形で広げていくのか、そういった明確な目標と期間を持った計画あるいは戦略の設定も必要かなと思うんですけれども、この件についての見解をお聞かせ願えますでしょうか。

 

○中垣政府参考人 ただいま御指摘のございました健康・医療戦略は、政府が講ずべき健康・医療に関する研究開発でございますとか産業の活性化に関する施策の大綱等について定めることといたしております。

 

 また、健康・医療戦略に即して定めます医療分野研究開発推進計画につきましては、法律上、健康・医療戦略推進法の第十八条におきまして、その策定に当たっては、具体的な目標及び達成の期間を定めるものとすることといたしております。

 

 したがいまして、本条に基づきまして、この計画におきましては、具体的な数値目標でありますとか、今後、政府が集中的かつ計画的に講ずべき医療分野の研究開発等に関する施策について定めることとなるということでございます。

 

 いずれにいたしましても、そういった目標をつくるというのは非常に重要でございますので、その御指摘も踏まえまして、適切な目標設定に努めていきたいというふうに思っております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 まさに、健康・医療戦略推進本部、期間を定めて具体的な目標をきちっと決めて、そして、そこで決まったことが、今度は独立行政法人の日本医療研究開発機構に持っていかれる。

 

 ここでせっかくすばらしい目標と期間が設定されて、大事なことは、それを達成できるかどうかということになるんだと思います。

 

 そこで、ここで機能を果たしていくのが、プログラムディレクターあるいはプログラムオフィサーと呼ばれる、そういった人材が重要になってくるんだと思います。

 

 そこで、まず、このPDやPOというのは、どのようにマネジメントを行うのか。また、PDやPOとしてはどのような人材が必要で、その確保はどのように考えているのかについてお聞かせ願えますでしょうか。

 

○菱山政府参考人 日本医療研究開発機構におきまして、研究開発を行う研究領域ごとに理事長が選定いたしますプログラムディレクター、それから、プログラムディレクターが選定いたしますプログラムオフィサーを配置しようというふうに考えております。そこで、研究の運営方針の決定や研究の進捗管理、それから評価などを行うということとしております。

 

 それから、その確保でございますが、プログラムディレクター、PDといたしましては、研究現場の第一線で活躍され、研究成果や研究プロジェクトのマネジメントに十分な実績と経験のある方についていただくのがふさわしいというふうに考えております。

 

 それから、POでございますが、POにつきましては、プログラムディレクターのもとで個別の研究課題を管理するということでございます。具体的には、個別の研究課題の選定、それから評価の実務、あるいはその研究や予算執行の進捗管理などの経験と実務のある方についていただくのがふさわしいというふうに考えております。

 

 このように、研究成果やあるいは研究プロジェクトのマネジメントに実績のある方にこの機構に結集していただくとともに、研究マネジメントに秀でた人材を見出しまして経験を積んでいただくことで、その層を厚くしていくこととしたいと考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 ただいまの説明で、本部からの目標、目的が明確になって、それを達成するために、PDがその要素をしっかりと分解しながら、この目標を達成するのに何が必要なのか、いつまでに必要か、こういったものをよく設計して、一つ一つの要素に関してPOが対応して目標達成に総合的に動いていく、そういうものだと理解をさせていただきました。

 

 そこで、やはりPDにしてもPOにしても、責任を持って、ただ単にできなかったらいいじゃなくて、やはり、できなければいけない、やらなければいけない、結果を持って応えていく、そういった体制が大事だと思うんですね、意識づけとして。

 

 そういった意味では、その実績とかそういったものをしっかり評価しながら、ここで成功させていくことがまた次につながるとか、また新たな展開になる、そういった視点も大事かなと思いますので、そういったところもよく酌み取りながら、評価また開発の支援をしていただければと思います。

 

 ここで、今度は、この機構から公的機関、研究機関にそれぞれのテーマが行って、それで研究開発が進むと思うんですけれども、ここでよく、研究開発の現場から、予算が単年度主義で非常に使いにくい、また、いろいろな形で回しにくい、そういったお声も聞こえるわけでございますが、今回の機構の設立によって、研究者にとって研究費の使い勝手というのはどのように改善をされるのか、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○菱山政府参考人 先生の御指摘のとおり、研究費をその時々の必要に応じまして、柔軟で、かつ弾力的に執行できるようにするということは、研究者の事務負担を軽減いたしまして、かつ研究成果を上げる上で非常に重要な課題というふうに認識しております。

 

 このような観点を踏まえまして、この機構のもとでは、まず事務手続の合理化、それから機構職員による支援の充実によって、研究者の事務の負担軽減を図るということとともに、機構に集約される各省からの補助金を、執行上の工夫をいたしまして、研究者が必要なときに必要な額の研究費を使用できるような対応を図るというようなことを通じまして、研究者が研究に集中できる環境を整備していきたいというふうに考えております。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 まさに、ここまで来ると、具体的な要素技術というのは、ある程度スムーズに研究開発されてくる、管理のもとでされてくるんですけれども、やはり、ここまでだと技術では勝てる、でも事業化とか具現化する部分で、産業化する部分では、ここからが大事になってくるんだなというふうに考えるわけでございます。

 

 実際に、今度は産業化という部分を考えたときには、やはりベンチャー企業等が立ち上がって、それをどう商品として、製品として展開していくのか。しかし、まだ余り実績のない技術を展開していく上にはリスクもある。

 

 そういった中で、ベンチャーがそういった産業化、事業化していくという上で、しっかりとした支援があってこそ、この目的が達成されるんだと思いますけれども、その点の支援のあり方等について、考えをお聞かせ願えますでしょうか。

 

○石川政府参考人 ただいま御指摘ありましたベンチャー支援でございますけれども、御指摘のとおり、研究開発の段階から実用化に至る段階におきまして、いわゆる死の谷というようなことで、実用化につながりにくいというポイントがございます。

 

 アメリカなどの例を見ますと、こういったところにおいてベンチャー企業が活躍をして、そういった実用化へのつなぎの役割を大いに果たしているというふうに伺っておりまして、こういったところへの支援というのは非常に重要であるというふうに考えております。

 

 従来、政府におきましても、産業革新機構や中小企業基盤整備機構を通じまして、ベンチャー企業等に対するリスクマネーの供給というのを行ってきております。今般、平成二十五年度の補正予算におきましては、さらにこの二つの機構に対して、それぞれ、革新機構の方に二百億円、それから中小機構の方には十億円の追加的な予算の手当てをいただいておりまして、両機構からの支援体制の整備、さらに財務基盤の強化を通じましてベンチャー支援を強化してまいりたいというふうに考えております。

 

 こういったような施策を通じまして、研究成果の実用化にぜひつなげてまいりたいというふうに考えております。

 

○輿水委員 ありがとうございます。

 

 今のお話のとおり、日本医療研究開発機構が技術的なものを生み出していく、種を生み出していく、そして、産業を具体的に進めるに当たっては、ただいまおっしゃいました産業革新機構等がそこの役割を果たして、製品化、また生産的なものにつなげていくというふうになるんだと思います。

 

 ここで、研究開発のマネジメントと、まさにマーケティングのマネジメント、それが二つ合わさって、推進本部が目指していく本来の目標の達成につながってくるというふうに考えるわけでございます。

 

 この推進本部のたてつけでは、各テーマに応じて、担当大臣が入ってそれをしっかりと推進していくという形になると思うんです。やはり、今確認できたんですけれども、開発機構だけではなく、総合的に全体をつなげて、その研究の成果を産業に、また製品にしっかりつなげてこそ、この成果が出るわけで、担当大臣のもと、まさに推進本部の中に総合的なマネジメントを行う人材を配置して、責任を持って、この推進本部が決めた目標、目的を期間内に達成する、そういった力強い取り組みも必要かなと思うんですけれども、担当大臣いらっしゃいますので、菅官房長官の方にぜひ見解をお聞かせ願いたいと思います。

 

○菅国務大臣 健康・医療推進本部がそのような役割を十分に果たしていくためには、やはり、そのもとに、今委員の御指摘のありました国際展開に精通をしている人だとか、そういう人も不可欠であるというふうに思ってもおります。

 

 そうした観点を含めて、これから発足までの間にしっかりと対応していきたいと思います。

 

○輿水委員 ありがとうございます。まさに、やはりこの推進本部が中心になって、基軸となって目標を達成していくと。その中にあって、機構をしっかり適切に、技術をしっかり生み出していく。

 

 そして、日本には、さまざまな民間企業、ベンチャーもある、また、そういった人材もいるわけで、そこの皆さんとしっかりつないでいくということで、確かに、機構とかこの本部は、ある程度限られた人数で運営をされるのかもしれませんけれども、その目標を考えるときには、あらゆる助言が入って、そして、実際、具現化していくときには、日本のあらゆる企業、民間等の技術を結集して、そして新しい医療の最先端を担う産業を生み出していく、そこに地域の雇用が生まれ、新しい成長が生まれてくる、このように感じるわけでございます。

 

 特に、もう一回、やはりそういった意味で、私は今まで、どうしても、民間の企業にいたものですから、いつも一つだけ不満なことは、目標を達成しなかったときに、一体誰が責任をとるのかと。俺は頑張った、うちも頑張ったし、うちも頑張ったし、みんな、機構としてあらゆる手を尽くしました、でも、達成できるかできないのか、ここが大事になってくるわけです。

 

 まさに、この推進本部の中に、何としてもこれを達成していく、達成したからにはそれなりのしっかりと評価をしてもらって、きちっとした新たな仕事が展開できるような、そういったポジションを設置していただきながら、この機構、体制が、ただ単に、頑張ったけれども、なかなか、今頑張っている最中で、成果はもうちょっと待ってくれではなくて、きちっと予定どおりきっちり成果が出て、日本の新しい医療、またさまざまな産業の育成の原動力になったと言っていただけるような、そういったものにすべきかなと思うんです。

 

 最後に、官房長官のその点に対しましての考えと御決意とを聞かせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○菅国務大臣 まず、この組織をつくることによって、世界最高水準の医療の実現、そして健康・医療を産業として戦略的に海外展開をしていきたいというふうに思います。

 

 ただ、現状を見るにつれ、我が国は、基礎研究は極めて優秀だという評価もあります。しかし、そうした基礎研究の成果が必ずしも実用化に結びついていない、それが現実だというふうに思います。こうした医療分野の研究開発を政府が一体となって戦略的に進めるために、内閣に司令塔となるこの推進本部を設置することにしたわけであります。

 

 我が国の総力を挙げて、しっかりと国民の皆さんの期待に応えることができるような、そうした組織をぜひ今国会でつくらせていただいて、取り組んでいきたいというふうに思います。

 

    〔関委員長代理退席、委員長着席〕

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 以上で質問を終わります。