日本経済の再生!(課題と活性化の方策)

【日本経済の現状】

 2010年、日本のGDPは中国に抜かれ世界3位へ転落すると予想されている。ここで、人口がケタ違いの中国とのGDPの比較に惑わせることなく、今こそ日本経済の潜在力を引き出すときであると思う。

 バブル崩壊後の日本経済は、地価と株価と賃金に代表される価格破壊で長期的なデフレに突入した。その後、新興国を中心とするインフラ投資と拡大する新中所得者層の消費需要の商機を取るために、海外進出に全力を注いで来た。そのような状況において、サブプライム問題やリーマン・ショックにより、新興国の投資にブレーキがかかり、日本経済は100年に一度と言われる不況に突入している。

【日本経済の課題と活性化の方策】

 ここで、日本経済の最大の課題は、設備投資の対GDP比率が先進国で最も高いのに、投資効率が低いことである。投資効率が低い原因は、設備投資の大半が、慣習による均等配分的な政府支出で占められているからである。

 この年間数兆円という世界でもトップクラスの設備投資を、戦略的に行なうことにより、投資効率が向上し、日本の経済は世界一の成長を再び勝ち取ることができると考えている。そして、日本経済の活性化の具体的な方策としては、①今ある資源を最大限に活用するための投資、②新たな市場を開拓するための投資、の二つがあると思う。

【日本経済の活性化のアイデア】

 たとえば、①今ある資源を最大限に活用する投資においては、日本が誇る『和み』と『雅』の文化を前面に、観光客を呼び込むための受け入れ態勢の整備や、宣伝を徹底的に推進していくことである。特に、温泉に代表される日本の『和み』の文化は世界のリゾートに負けない癒しの空間であり、この空間の提供と共に、桜や紅葉、和食や和装、和楽等の『雅』の世界へ触れる機会の提供は、世界の観光都市に対して、十分な競争力を持つものであると思う。
 
 また、②新たな市場を開拓するための投資として、世界で一番早く超高齢社会を迎える日本で、最先端の医療技術や繊細な看護や介護を提供する施設を整備拡充し、日本社会の高齢化に伴う国内の需要に応えると同時に、世界一の治安を誇る日本に、世界の人々の憧れの医療と介護を提供できる環境を整備し、海外の富裕層の取り込みを積極的に進めることも良いと思う。

【日本経済の再生への政治の役割】

 日本経済の再生の前提として、①税金の投資効率を上げることであり、このことは国民の豊かな生活につながるものであること、また、②例えば、観光事業という一分野への集中投資であっても、国内全体の様々な業種の景気の好転を生み出すこと、の2つを掲げたい。

 そして、この2つの前提に立って、政治として政府系事業の選択と集中による戦略的展開を積極的に進めるべきである。特に、政府関係機関の人員配置と資金配分の抜本的な見直しと、その流動性や機動性を高める環境を早急に整えるべきであると思う。

 

(※この記事はさいたま市議会議員時代の記事です)