子どもの可能性を追求する、特別支援教育を!

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 さまざまな障害のある子どもたちが、新たな可能性を磨き開くことを目指し、安心して安全に通える学校の体制整備は、行政にとって重要な課題であると思います。特に、幼児期から小学校に入る段階で、自立した生活や集団行動が求められるようになるため、一人ひとりに合った受け入れ環境の整備は喫緊の課題であります。

 ここで、さいたま市では、障害のある子どもたちの進学に際して、親と学校側の協議の仲介役として、「特別支援教育相談センター」を開設いたしました。ここでは、幼稚園や保育園における生活の実態を専門的に調査・分析し、一人ひとりに適した教育環境について、親と協議しながら、進路を検討し、決定するためのサポートを行っています。

 実際、障害のある子どもたちの進路としては、障害のある子どもたちを学校全体として受け入れ体制を整えた「特別支援学校」、クラスとして受け入れ体制を整えた「特別支援学級」、一人の担任の指導のもとで集団で活動する「通常学級」があります。

 ここで、子どもの発達状況から、「通常学級」と「特別支援教室」を組み合わせたかたちが求められるケースも数多く見受けられます。しかし、「特別支援学級」がある小学校は区に1校程度であり、組み合わせを必要とする子どもたちに、その教育環境を提供することは困難な状況にあります。そのため、「特別支援学級」がない学校には、教育委員会から「学校学級支援員」を派遣し、「通常学級」に通っている子どもを支援する体制を整えていますが、実際のところは、その数が少なく、週に2回程度しか子どもに接する時間が取れていない状況です。

 最終的には、全ての学校に「特別支援学級」を整備することを理想としつつも、当面は「学校学級支援員」を拡充し、「通常学級」における支援を手厚くすることが必要であると思います。ここで、厳しい財政状況下、地元の大学生や教育に係わる職場に勤務していたことがある方々に「ボランティア支援員」として協力して頂けるような環境も整備すべきと考えます。

 

(※この記事はさいたま市議会議員時代の記事です)