6.地域における医療と介護の総合的な確保

6.地域における医療と介護の総合的な確保
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(1)急性期機能から回復期機能を手厚く

 2014年、厚生労働省は各県ごとに病院の機能や、入院されている患者さんの状況について調査を致しました。

 現状は急性期ではない患者さんが多く、左のイラストにもありますように、高度急性期や急性期については現状ほどその機能が必要ないことがわかりました。

 また、回復期が非常に少なく、高度急性期から慢性期までの凸凹の形をとって、「ワイングラス型」と呼ばれています。

 病院で手術をし、退院することになった時に、リハビリをしていない状況で、自宅に地域に戻せませんが、現在はこのリハビリ機能を持った回復期の病院が少な過ぎますので、今後は手厚くしなければなりません。

 また、高度急性期の患者さんでも、例えば手術後にそのまま寝たきりではなく、3日後には起きてリハビリをすることによって、回復のスピードが早くなるそうです。寝たきりの期間が長ければ長いほど、回復しにくくなるということです。

 しっかりと地域に戻ってこれるような、病院完結から、地域で支える医療をどう実現して行くのか。まずは病院の体制や機能の整備をして、その後の地域の受け皿をどう作っていくのかが地域包括ケアシステムの課題なのです。

(2)高齢化の台風を乗り切るために

高齢化の台風
※2025年に風速75m「高齢化の台風」が!

 2014年の夏には最大瞬間風速75mの巨大勢力をもった台風が来ましたが、2025年はまさに「最大瞬間風速75mの高齢化の台風」がやってくると、言えるのではないでしょうか。

 このままの体制でこの高齢化台風が来ては日本は耐えられません。下のイラストの水色のゾーンでは、いかに健康増進、介護予防、認知症予防、生活支援等を行い、支えられる側を減らし、支える側、健康に働ける方を増やしていくのか…こうすることで、風速75mを例えば35mに勢力を抑えて行きます。

水色ゾーン

 またピンク色のゾーン(下参照)ではその台風に耐えられるインフラとして、地域の介護、看護、医療の連携・体制を万全にしなければなりません。 

 この体制が万全になったときに、はじめて高齢化台風に耐え、2025年を乗り越えていけるのではないでしょうか。

ピンク色のゾーン

(3)在宅医療介護連携支援機関について

 今まで医療、病院の事業は都道府県で、市区町村は、医療にはあまり関わりませんでした。しかし、これからは郡市医師会、地域の医師と顔が見える関係性を作って行くスタイルを目指します。

 

 そして、医師だけではなく、看護師とも、薬剤師、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士等々の方々が、連携をしながら地域の一人ひとりをチームで支えていく体制を作って行く。そのコーディネート役として、新たに「在宅医療介護連携支援機関」を作っていく必要があるのです。

 

 この市区町村を中心とした医療のコーディネーターが指揮を取って、多職種の皆さんとケア会議を行って行けるような体制づくりが大きな課題となって来ます。

(4)自分の健康は自分で守るという新しい意識

 現状は長期入院後、リスク残存のまま退院。放置すれば、再入院率が高くなります。この連鎖を断ち切り、地域で健康を維持し、支え合い、生活できる取り組みが必要です。

また、病状等にリスクがあるに関わらず、そのまま見過ごされてしまい、対応や医療との連携が遅れ、結果、重症化、多病化、不可逆化(元に戻ることない症状)になり病院に入院しなければならないような状態にならないように、地域で支え合いながら、一人ひとりの健康を維持、管理していくのか? 大切なことは、自分の健康は自分で守るという意識を持って頂きながら、地域で、チームでの取り組みが必要です。

(5)認知症支援チーム&生活困難者救援チーム

地域包括支援センターの現実

 現在、地域には「地域包括支援センター」がありますが、業務のほとんどが、生活困難者の対応になっている、との話を現場で働く皆さまからお聞きします。

 介護が必要な方、家族関係の問題がある方等を多職種で支援…といったような仕事で忙しく、健康増進や介護予防まで手が回らないという現実があるのです。ここに認知症の方々の対策が増えてきますと、さらに手が回らなくなります。

認知症対策

認知症対策については、認知症初期集中支援チームが専門的に対応して頂き、認知症地域支援推進員、認知症サポーターなど現場で対応が出来る仕組みを作って行きます。

生活困難者対策

生活自体が困難な方々については、生活困難者救援チーム(仮)で、弁護士さんも含めて、財産の処分等、専門家がチームで対応して行く体制を構築して行く必要があります。

元気な高齢者の労働

 シルバー人材や、有償ボランティアで働いて頂くことにより、生きがいや健康の維持へつながって行きます。このような、働き続けられる環境を、整備し広げていくことが大切な課題になってきます。

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