3.ヨルダンのシリア難民支援

人口が約950万人のヨルダンでは、シリアからの難民を約66万人受け入れています。

 

今回訪問させて頂いたザータリ難民キャンプは、5平方キロメートルの敷地に約8万人が生活しており、この住民の5割以上が18歳未満の子どもとのことでした。

 

ここではライフスキルを含む総合的な教育とともに心のケアを必要とする子どもたちも多く、未来を担う子どもたちへの重層的な支援が展開されていました。

 

また、一人一人の安全な水への安定的かつ継続的なアクセスや、汚水による衛生環境の悪化を防ぐことを目的に、上下水施設の整備も進められていました。

 

今後は、シリア難民の命をつなぐ緊急的な支援の提供と共に、中長期的な観点に立って、専門的な教育とともに就労への支援、また身体的・精神的障害をもった人々や、身寄りのない一人暮らしの若者やお年寄りなどへの福祉的な支援体制の構築も重要になってくると感じました。

 

人道支援から開発支援へのつなぎ目のない活動を展開し、長期化した紛争の中で育った子どもたちや、変化するコミュニティへのニーズも拾い上げ切れ目のない支援を行っているユニセフと連携し、シリア難民と共にヨルダン国家の永続的な繁栄と発展のための取り組みを、現地政府機関および企業等と協力し推進して行きたいと思っています。

1.ザータリ難民キャンプの第5小学校の訪問

教育は地域の未来を築く土台となるものであり、難民キャンプ内にも小学校が開設され、シリア難民の子どもたちが元気いっぱいに集い学んでいました。

 

この難民キャンプの子どもたちが様々な困難を乗り越え立派に成長し、中東の平和と発展のために活躍できるような社会環境の構築が、全世界の平和と安定の土台となるものと感じました。

2.ザータリ難民キャンプのマカニ・センターの訪問

日本の支援とユニセフにより難民キャンプ内に開設されたマカニ・センターでは、学校に通えない子どもへの読み書きや計算などの学習指導、心理的サポート、ライフスキル講習をはじめ、女性の地位や権利の向上へのカウンセリングなど、子どもたちが健全に成長するための総合的な支援プログラムが展開されていました。

 

貧しい生活と将来への希望が見えない状況の中で、一生懸命に生き抜いている子供たちの姿に中東平和への思いを新たにして参りました。

3.ザータリ難民キャンプの乳幼児への栄養提供センターの訪問

栄養提供センターでは、子どもの体と脳の成長にとって母乳をはじめ適切な栄養が非常に大切であること、また母親にとってもミネラルや鉄分の不足が体に不調をきたすことなど、栄養の適切な摂取について一人一人に丁寧に教えていました。

 

「ここに集うことで元気になります!」との集っていたお母さんたちの声。栄養指導と同時に子育てに悩む母親同士の交流の場としても大きな役割を果たしていました。

4.ザータリ難民キャンプの浄水供給施設の視察

日本とユニセフの支援により、難民キャンプの人々の安全な水への安定的かつ継続的なアクセスや、汚水による衛生環境の悪化による病気を防ぐことを目的に、上下水施設の整備が進められていました。

 

以前はキャンプの外にある給水施設からトラックで水を運んでいましたが、現在はこの給水施設の整備により、大幅にコストが削減されていました。

 

また、水汲みに追われていた小さな子どもたちが、その重労働から解放されたことも大きな成果であると感じました。

 

この給水施設の整備をはじめ、大切な寄付金や拠出金を効率的に活用し、より多くの子どもや家族への支援を届けるために様々な工夫がなされていました。

5.ヨルダン市街におけるJENとの連携支援

ユニセフでは、キャンプ外でも紛争や災害により厳しい生活を余儀なくされている人々の自立に向けた支援を行っています。

 

世界中で支援事業を展開する特定非営利活動法人JENと連携し、ヨルダン市街のシリア難民も通っている学校の飲み水やトイレなどの水環境の整備を進めていました。

 

ここでは、トイレ掃除などを通して自分たちの生活環境を自分たちで守ることの大切さを知ってもらうことなど、日本人にしか出来ないと思われる取り組も進められていました。

6.ヨルダン市街におけるICCSとの連携支援

国連が登録した480万人のシリア難民のうち、66万人がヨルダンで難民として生活している他に100万人以上のシリア人がヨルダン国内で知人を頼って居住しているとのことでした。

 

この様にシリア難民の支援については、難民キャンプだけでなくヨルダンのコミュニティへの支援も必要となっております。

 

ユニセフでは日本の支援を活用し、現地の非営利活動法人ICCSと協力し市街地の施設で、シリア難民を中心にライフスキル教育、学習指導、心理サポートなどの事業を展開していました。

 

ヨルダンで暮らすシリア難民が地域を担う人材として成長するための要となる事業であり、今後は就労支援プログラムの展開など事業の拡充の必要性も感じました。